26時間目 ページ26
テスト一日目。
テストは本校舎で行うらしい。
この坂、結構急だな。こりゃあかなりの嫌がらせだね、理事長殿。
ちなみに僕は磯貝と片岡と共に降りており、僕は二人に挟まれている。
先日の一件で何故か仲が深まってしまったのだ。
別に嫌ではないけど･･･。
「Aさんの説明とても分かりやすかった。ありがとう」
「そう？そりゃあ嬉しいねぇ」
「本当に世界回っているんだな･･･。殺せんせーに現地に連れて行ってもらったんだけど、本当だったよ」
「えっ、ターゲットってそんなことも出来るの？というより、僕の話、嘘だと思っていたのかい？」
片岡と磯貝とそのような話をしながら本校舎にたどり着いた。
自分の指定された席に向かって歩いていると、隣の赤羽が暇そうにしているのが目に入る。
そして目が合った。
「あ、Aさんだ〜」
「･･･なんだ、赤羽」
僕は席に着きながらそう言った。
そういえば、赤羽はテスト勉強の時間の際に、あまり真面目に取り組んでいないようだったが･･･。
「本当に一位狙うわけ？」
「当たり前」
目が合う。
その目からは余裕綽々とした感情が読み取れる。
「まぁ、頑張ろうよ」
その余裕で自分を破滅の道に導かないようにね、赤羽？
・
テスト開始。
【英語】
ふむ･･･。
流石進学校。確かに難しそうな問題ばかりだ。
これはまさに問題のモンスター･･･。
略して『問スター』。なんちゃって。
「へぇ〜？中々面白そうじゃん」
手に持ったハンマーを回しながら、問スターを見る。
「和訳？なめないでよ」
僕の目の前に問スターが現れる。
そして、口から光線を繰り出してきた。
「おっそいねぇ。後ろだよっ！」
僕はその光線を跳躍して躱す。
そのまま僕は、問スターの頭上に向かってハンマーを振り下ろす。
「あっちゃ〜っ、潰れちゃったか」
ちゃんと正解だったし、大丈夫でしょ。
そう言って僕は次の問スターに向かって駆けだした。
・
「あの女、何者だ･･･！？」
「あの子はね、E組の転入生」
「そういうことじゃない！！あの女、問スターを潰しやがった･･･！」
「ああ、そう言うこと。だってあの子･･･」
＿＿＿“浅野に勝つ”って堂々と宣言できるくらい、頭いいんだよね。
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
