13時間目 ページ13
「例のものは渡してくれたかな？レオン」
「ああ。大事なものは先に渡しておいてよ。いくら僕が速いからって宅配便扱いしないで貰える？」
僕はシロと会っていた。
正確には来い、と言われた。
「で、要件は？」
「知っているとは思うが明日が決行日だ。勿論、」
見に来るだろう？
その言葉は僕の“本来の目的”を分かっているように聞こえた。
・
決行日。
僕はE組生徒全員･･･ではないな。
ターゲット作のプールに入った生徒達。
･･･可哀想に。
お、きたね。
「･･･ターゲット」
寺坂が銃をターゲットに向ける。
その銃には発信器が埋め込まれている。
彼は弾丸が入っていると思っている。恐らく銃声が合図だろうと思っているだろう。
残念。それにはね･･･
「弾は“はいっていない”んだぁ･･･」
ドォン！！と大きな音が鳴り響く。
そう。
彼が渡された銃は確かにイトナに“合図する”のものだ。
だけど、その銃でイトナが“来る”とは言っていない。
「可哀想に。騙されちゃったね、寺坂」
「！？レオン･･･！！」
僕の声に反応して後ろを振り返る寺坂。
･･･そりゃあ驚くか。だって気配消してたからね。
「･･･なにこれ」
おや。不足していたもう“一人の生徒”がやってきた。
「き、聞いてねぇよレオン･･･！話が違うじゃねぇか･･･！」
「そうだねぇ。あの人は言葉足らずのところがあるから、仕方ないね」
なるほどね･･･と言って、僕の肩に手を置きながらそう言う人物は･･･
「カルマ･･･！」
唯一この場にいなかった生徒、『赤羽 業』である。
「･･･あんたが黒幕？」
「だとしたら、どうする？」
ひゅんっ、と何かが僕に向かってきた音がなる。
それを僕は躱す。
躱されたことに一瞬驚いた様子を見せる赤羽。
「流石に
「逆に当てられると思った？」
にやり、と挑発した笑みを赤羽に向けたが、動じない。おや、慣れているのかな。
「それより寺坂･･･自分で立てた計画じゃ無くて、まんまと操られていたって訳」
赤羽が放った言葉は寺坂の顔を青くする材料には十分だったようで。
「言っとくが、俺の所為じゃねぇぞ･･･！こんな計画やらせる方が悪いんだ･･･！」
あーあ、寺坂。顔、ヤバいよ？
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
