16時間目 ページ16
no side
皆が声した、上の方に目線をあげる。
その人物は、天井にぶら下がる蛍光灯の上にいたのだ。
『蛍光灯』の上である。
それとりも、上にレオンがいるので･･･
「男？いや、女にも見えるな･･･」
「もしかして、男の娘･･･！」
今までフードで隠れていた顔が見えるのだ。
上から見下ろされているE組彼らはレオンの顔がはっきり見えるのだ。
レオンの容姿にいち早く反応したのは『前原 陽人』、2の次元の方向に走った発言をしたのは『竹林 考太郎』だ。
竹林の発言でE組は苦笑い、レオンは呆れているようだ。
「というより、蛍光灯の上にいるんだ！？」
「落ちてきたらどうするんだよ！？」
蛍光灯は人間の重さに耐えきれる訳がない。
レオンがいる蛍光灯の下には、片岡と前原がいる。
彼らの後ろの席である潮田と茅野にも被害が及ぶだろう。
しかし、一人疑問に思った人物が。
「ねぇ、1番に登校したんでしょ？ずっと『そこ』にいたの？」
「いい質問するね赤羽、そうだよ」
レオンは登校してからずっと同じ蛍光灯の上にいたのだ。
いつ落下してきても可笑しくないのに落ちてこないのは･･･。
「そもそも僕、蛍光灯の上に『乗っていない』けど？よく見て？」
レオンの言葉の後に太陽の光が教室に差し込む。
レオンの周りがキラキラと太陽の光が反射して輝く。
まるで『蜘蛛の糸』の様に。
「糸･･･？」
「そう。糸の上に乗ってたんだ♪」
レオンは細い糸の上に乗っていたのだ。
それはまるで、『蜘蛛の巣』のようである。
「よっと･･･。今日からここに来ることになりました、レオンです。でも、ここではレオンと名乗るわけにもいかないので･･･」
ふわりとマントを靡かせ、足音を立てずに降りてきたレオン。
フードに手をかけ、外しながら言葉を紡ぐ。
ばさり、と音を立てながらフードを外した。
皆がレオンに注目する。
「ここではAAって名乗るから、皆さんそう呼んでね？」
そう微笑む中性的なマスク。
「「「(性別は)どっちだよ！？」」」
レオンは男か女か区別のつかない、中性的な顔立ちだった。
このクラスには『潮田 渚』という人物がいるため、性別の判別がつかないのだ。
「やっっっぱり(人1)じゃなぁ〜い！！」
「げっ」
そういってレオン･･･Aに突進してくるのはイリーナだ。
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
