第49話ノーマンSide ページ49
え？
心の中で思った言葉がそのまま声に出た
僕は出荷される 生きていられるはずがない
そんな状況の僕をお構いなしにアオは続ける
アオ「まぁ仮説なんだけどさ
まずここは農園でこの施設があるってことは外の世界にも鬼はたくさんいると考えてもいいだろ？
そこで思ったんだ1プラント40人弱でそれが5プラント全部で200人弱それだけで全部の鬼の食料は補えるとはとても言い切れない
それにママは僕たちは特別な鬼しか食べられないって言っていた…つまり他にも農園はあると考えられるんだよね？
ここまではノーマンも予想着くでしょ？」
ノーマン「うん」
アオ「それを踏まえた上でこの仮説
他にも農園があるならここよりももっと高性能な農園もあるはず
そしてノーマンは僕たちの中で誰よりも満期で出荷したい食用児なはず」
ノーマン「！？
そういうことか」
アオ「ｺｸｯ そうノーマンはその他のもっと高性能な農園に移送されるかもしれない」
高性能な農園…だけどなんの目的があって…
ノーマン「けど目的がわからないわざわざ他の農園に移送しなくてもいいんじゃ…」
アオ「目的の検討は二つ
一つ目はノーマンの商品としての価値を高めるため。他の農園で更に高難易度のテストをさせてさらに脳を発達させるため
二つ目は実験のため。これについてはまだ考えつかないけど何かしらの実験材料になる」
やっぱりアオはすごいな
僕が考えさえしなかったことをたくさん考えて行動に移せるアオは僕なんかよりよっぽどすごいな
アオ「この箱庭だけじゃ希望を持つことはできないけど世界をみてみれば希望…わくでしょ？」
確かにそうだ箱庭ばかり見てちゃだめだ
ノーマン「そうだね！じゃあそろそろ怪しまれないためにもいかないと」
アオ「ん…じゃ」
あれ？なんか
ノーマン「なんか語彙少なくなった？」
アオ「久々にこんな喋って口…疲れた…」
いつもアオは無口だからこんなに喋って疲れたのか
けどそれなのに話してくれてたんだ
ノーマン「アオ」
アオ「？」
「ありがとう」
アオ「！どう…いたしまして……」
照れてる…？
ノーマン「じゃあいくね」
アオと別れてママの待つ玄関へ向かった
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作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
