第39話Noside ページ39
＿ここは農園
＿私達は食料
＿大人は敵 脱獄する
「誰かママとシスター呼んできて」
「はーい」
＿決行は6日以内
フィルとマーニャはイザベラの所へ走って呼びに
「あれ？シスターは？一緒じゃないの？」
「お部屋？」
「いいえちょっとお仕事
先にいただいてしまいましょう」
その時
ｺﾂｺﾂ
暗く鉄格子の向こうから覗く青空
外からの光で見えるその空間は不気味としか表しようがない
そこには一人の黒の服に身を包んだ女性がいた
「グランマ……」
クローネはグランマと呼ばれた女性に持っていたメモを差し出す
「このメモの事実に加え92194や他のフルスコアも秘密を知って逃げようとしている」
「続く上物2匹もです！
脱走の件には物証はありませんがでも信じてください！
このままでは危険です！このままでは……」
焦って言うクローネにグランマは冷たく言い放つ
「でも制御はできているのでしょう？」
「え……」
「制御できているのなら問題ありません
かつての私のように
困るのですよシスター・クローネ イザベラの邪魔をすることは
特別なのですイザベラもイザベラのプラントも
儀祭に最上の一皿を 農園に最大の利益を
イザベラは私に必要な駒なのです
あなたでは代わりは務まらない
私が困るのです」
クローネは全てを悟ったような表情を浮かべ笑い始めた
「ハ……
ハハッ…」
笑みを浮かべるクローネの元に人間離れした大きな手が向かっていく
その時ハウスの食堂で全員が手を組んでいた
『いただきます』
大きな手に握られた灰色の花をクローネの胸に向ける
刺されるまいと足をばたつかせ足掻く
(ああ 空がキレイ ああ)
クローネは鉄格子の先に見える空を見てそう思った
花を胸に刺されて事切れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
