木曜日 ページ10
当日の朝。
朝ごはんを食べた後、かいの部屋にチョコを渡しに行く。
ノックをすると、どぞーとカイの声。
「失礼しまーす。チョコお届けに参りました。」
入るとネクタイを締めている途中の海人。
「どもども。」
寝癖でネクタイつけかけのままだが、ピシッと背筋を伸ばして私の前に立つ。
いつからかは覚えていないが、お互い恥ずかしくて照れ隠しで表彰状授与のような渡し方を毎年している。
「はい、ハッピーバレンタイン」
「ありがとう。」
にっこにこの笑顔でしっかり90度のお辞儀をするカイに笑ってしまう。
「一個だけ食べちゃお！」
キラキラ目を輝かせながら包みを開けて、トリュフを一個口に入れるカイ。
「んー！うまぁ。」
「よかったーけど、食べてる暇あるのー？遅かったら置いてくよー。」
「わー！まってまって、」
焦る海人にまた笑みがこぼれる。
「あと、口がココアで真っ黒だからもう一回歯磨きしなよー。」
「わー！やばいやばい！時間ないじゃん！」
木曜日はたまたま私と海人が家を出る時間が一緒なので、毎週、駅まで一緒に行く。
私も部屋に戻って自分の用意を終わらせてから、リビングに再集合。
「「いってきまーす！！」」
「いってらっしゃいー、かいちゃん良いチョコ貰ってきてねー！」
バレンタインデーのカイがもらってくる大量のチョコを毎年1番楽しみにしているのはお母さんだったりする。
「良いチョコってなに笑」
朝からお母さんの発言に2人で笑いながら駅へ向かう。
「毎年バレンタインの日荷物多いね、A。」
私と比べてぺったんこなスクールバッグ一つのカイがふふっと笑う。
「しょーがないよチョコ持ってるから。パソコンも今日持ってるし。」
口を尖らせながら言うと、すっと手が差しだされる。
「持ったげる。」
「え、ありがと！」
「じぇんとるまんだからね！」
ドヤ顔でそう言って、重い背中のリュックを持ってくれる。
「やっぱ、持つべき物は可愛い弟だね！」
肩が軽くなり軽く伸びをした。
ラッキー海人
ブラック海ちゃん
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日向葵夏(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうごさいます。そんな嬉しいコメント頂けて、すごく更新頑張れちゃいます！頑張ります:) (2019年9月8日 14時) (
レス) id: 8e6d6b05f4 (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！！海ちゃんの可愛いさに癒されつつ廉君との今後の展開も気になります！！応援してますので更新頑張って下さい！ (2019年9月7日 22時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向葵夏 | 作成日時：2019年9月7日 4時
