かわいい弟 ページ2
全ての発端はたぶんバレンタインデーの1週間前のあの日だ。
徐々に増える学期末のレポート、プレゼンと迫り来るテストへの焦りをまだ先のことと、頭の片隅に追いやり、バレンタインなにを作ろうなんて呑気に考える大学2年の冬。
今日は午後の講義が教授の出張の都合で休講になり、早く家に帰って来られたので、自分の部屋でゆっくり課題を進めていた。
暖房はつけているものの、温かいものを体が欲しているのでココアでも入れようかとイスから立ち上がった
と同時にテーブルの上に置いていた携帯がブーとメッセージの受信を知らせる。
2個下の弟、海人からだ。
『A今家にいる？？』
短文と共にかわいいクマが泣いているスタンプも送られてくる。
『いるよ！どうした？なんかあった？大丈夫？』
その画面のままカイからの返信を待つ。
送り返した文を見て、よく周りに言われる過保護という言葉が頭に浮かぶ。
大学の友達から、弟に過保護すぎと突っ込まれた時も、反論してみたものの、改めてこの自分の返信を見ると確かにそうかもと納得できる。
『わー！A神！』
『あのね、鍵忘れちゃって、今玄関の前にいるんだけど、開けていただけないでしょうか？お姉様。』
いきなりの敬語に笑ってしまいながら、敬礼のスタンプだけをすぐに送り玄関へ向かう。
過保護と言われたって海人はかわいい弟のなのだからしょうがない。
ほら、玄関を開けたら、
「Aーまじでありがとう！神さま仏さまA様だわほんと。」
冬なのにひまわりが咲いたようなかわいい笑顔が飛び込んでくる。
「もー、かい、たまたま今日早く家にいたからよかったけどいなかったらどーするつもりだったのー！」
「廉の家行くつもりだった。」
口を少し尖らせた海人が指差す方に目を移すとスラッとした男性が私に向かって軽く手を上げた。
「お久しぶりやな。Aちゃん」
にこっと微笑んだその顔面がイケメンすぎて、一瞬言葉を失った。
「え！？廉くん？！」
ラッキー海人
ブラック海ちゃん
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日向葵夏(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうごさいます。そんな嬉しいコメント頂けて、すごく更新頑張れちゃいます！頑張ります:) (2019年9月8日 14時) (
レス) id: 8e6d6b05f4 (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！！海ちゃんの可愛いさに癒されつつ廉君との今後の展開も気になります！！応援してますので更新頑張って下さい！ (2019年9月7日 22時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向葵夏 | 作成日時：2019年9月7日 4時
