雨の夜 ページ6
昔からカイは強い雨の夜は1人で寝れない。
私からしたらなにそれ可愛すぎ！って感じだけど、本人にとっては物凄く深刻な悩み。
小学5年生までは、両親の部屋で寝ていたが、6年生になってから、両親には治ったと強がり、私の部屋にこっそり来るようになった。
実際、本人は治そうと必死に努力している。
「…いい？」
潤んだ不安気な瞳が私を見つめる。顔には涙の後があり、今日も1人で頑張ろうとしたのが伺え胸がまた痛んだ。
「もちろんー」
なるべくカイが安心できる様に微笑んで、私より背が高いカイの頭に手を伸ばして撫でてあげると少し表情が和らいだ。
「ふとん、取ってくるね。」
「Aも行ってあげるから枕は置いていきな。」
カイから枕を受け取り私の手を握らせた。なにか握っていないと落ち着かないのだろう。
「ありがと。」と小さく呟き私の手をギュッと握ってくるカイはちっちゃい頃と変わらない。
一緒にカイの布団を私の部屋に運んでひいた。
「カイもう寝るでしょ？」
こくんと頷き、Aは？と聞かれる。
「ちょうど寝るとこだったー。じゃあ電気消すね。」
「まってまって、」
カイは自分の布団を私のベットにぴったりくっつける。
「ふふっ、Aのベットで一緒に寝てもいいのにー」
ほぼ毎回冗談で言ってみるけれど、高校生になってから毎回断固拒否される。
「大丈夫だって！」
電気を消してベットに入る。
いつものように片手をカイの方に差し出すと「だいじょうぶ。」と今度は弱く拒否された。
いつもは手を繋ぐのに今日は頑張るみたいだ。
ベットと布団で高低差があるのでカイの顔はよく見えなかったが、私のベットの側面にぴったりくっついて丸まっていた。
おやすみを言い合いカイを心配しながらも目を瞑る。
もう手は繋がないか…と思いながら空いている自分の手を閉じてみる。カイが克服出来ていく嬉しさと、寂しさが混ざり合う。
こうやっていつかは1人で寝れるようになるんだろうななんて考えながら、寝そうになった頃に
「A、」
消え入りそうな声で呼ばれた。
「ん？」
「…やっぱり、て、つないで。」
可愛くてしょうがなくて、つい緩んでしまう頬。
やっぱりもう少しだけかわいいままでいて欲しいと思いながら、無言で手を差し出すと、ギュッと握られた。
ラッキー海人
ブラック海ちゃん
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日向葵夏(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうごさいます。そんな嬉しいコメント頂けて、すごく更新頑張れちゃいます！頑張ります:) (2019年9月8日 14時) (
レス) id: 8e6d6b05f4 (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！！海ちゃんの可愛いさに癒されつつ廉君との今後の展開も気になります！！応援してますので更新頑張って下さい！ (2019年9月7日 22時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向葵夏 | 作成日時：2019年9月7日 4時
