「好きです麦野くん！」

#05 ページ5

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−翌日






『麦野くん！』



「おーおー、また来たよ」



『麦野くんに会いにきちゃった ♡』



「会いにきちゃった♡じゃねえよ、

お前は俺の彼女か！」



『……未来的には？』



「そんな未来ありません」



『大好きだよ麦野くん！』








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ーそのまた翌日





『麦野くん！』



「なんだよ、お前かよ。今日はどうした」



『今日ね、恋愛占いしてみたらね、

なんと！運命の人とはもう出会ってるみたいなんだって！』



「おお おお、じゃあもう出会ってるんじゃないか？
俺以外の運命のやつに！」



『わたしは浮気しないから！』



「いや、そもそも付き合ってないから！俺たち！」







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ーその翌日の翌日






『麦野くん！』



「お前は毎日訪れて暇人か！」



『ううん、そんなことないよ。

毎日麦野くんのことで頭がいっぱいなんだから！』



「意味わかんねえよ。今日はどうした」



『今日ね、勉強してたらね、麦野くんに似ている人がテキストに出てきたんだよ！

…ほら、ジャーン！』





ガサゴソと鞄の中を漁り、
テキストを麦野に差し出すA。


麦野はそのテキストを受け取り、
付箋を貼られたページを開く。






「…これ、」



『ね、似てるでしょっ！？』



「お前の目は節穴か？あ？

どうして与謝野晶子なんだよ！女性じゃねえか！」



『与謝野さんはすごい人なんだよ！？偉人だよ！？』



「そういうことじゃねえよ！

しかもなんか落書きしてるし！」



『だってそのままじゃ似てなかったから！』



「落書きしてても似てねえから！」









そのまた翌日の翌日の翌日も、

一週間後も、一ヶ月後も、半年後も、

Aは毎日麦野のもとに通い詰めたのだった。






『麦野くん！』









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