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◎53 ページ5







『お兄さん?』

「‥うん」






家族のことを紫耀くんに話したことがなかったから

私に兄がいたことにも驚いている様子





「でも、血は繋がってないけどね」

『え?』

「私、ちっちゃい時に交通事故で両親を亡くしたみたいで」

「‥施設で育てられたんだけど、預かられた家族からも大切にしてもらったのは半年ぐらい」

「それからはその家族にも子供ができて、もともといた兄もいて」

「私は赤の他人扱い。」









こんなこと、親友以外に話したことなかった

‥久しぶりにこの話をした私は

いつになってもやっぱり忘れられない過去








『‥』





紫耀くんは黙ったままだった





「だから私、高校生から3年間アルバイトしてお金貯めて‥」

「家族と縁切って、上京してきたの‥」






こんなことで、泣いちゃダメだ。



無意識に歯を食いしばって

涙を堪える







すると、隣に座っていた紫耀くんが

優しく抱きしめてくれた







『‥もう、1人で抱え込まないでいい』

『今はもう、俺がいるから』






.



『もっと、俺に分けて』

「‥え?」






紫耀くんの言葉の意味がわからなくて

聞き返すと紫耀くんの力が強くなって

もっともっときつく抱きしめられたのがわかった







『めっちゃくちゃ嬉しいことも』

『めっちゃくちゃ悲しいことも』

『ぜんぶ、俺に分けてほしい』








紫耀くんが泣くのを我慢しているのがわかった








『そしたら、悲しいことは半分になるし』

『嬉しいことは2倍になるから』








私の肩に顔を乗せていたのをやめて

私と目を合わせた





紅く、涙が溜まっていた






『俺と、幸せになろう』

『俺が、幸せにするから』







.

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kaho888(プロフ) - maho*さん» そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2019年3月8日 0時) (レス) id: 2b211e65eb (このIDを非表示/違反報告)
maho*(プロフ) - このお話大好きで一気に読んじゃいました!これからもお話楽しみにしています。 (2019年3月5日 12時) (レス) id: 84e5e364a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kaho888 | 作成日時:2019年3月5日 1時

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