探索成果 ページ10
歩いてみたこの集落の第一印象は、活気に溢れるところ。
皆んなせっせと働いていて、サボっている人は見受けられない。凄いものだ。というか私ここでやっていけるのか。普通に不安だ。
これからのことを考えると少しだけ憂鬱になる。
…考えるのは辞めておこう、なんとかなると根拠のない自信をできるだけ持つようにして、目の前の課題に集中することにした。
さっきも見た通りサボっている人は見つけられない。流石に作業中の人に声をかけるのは辞めておいた方がいいだろう。
なかなか話を聞けそうな人が見つけられず、しばらくダラダラと歩き続けていると、雑談している男性を見つけた。
これはチャンスだ！
駆け寄って恐る恐るこえをかけてみると、いかつい見た目とはあまり想像がつかないような気さくな声で返事してくれた。
事情を説明すると、快く色々なことをお話ししてくれた。ここに住んでいる人についてや、どの人のこんな特技が凄いとか、暗黙の了解的なものとか。
本当に色々教えてくれて助かった。
途中からゲームのチュートリアルを一緒にしてくれる解説役の人みたいだなと思ったのは心にしまっておこう。
これだけ情報が集まったら探索は終了して良いだろう。となると次のミッションは服を貰うことだ。
ありがたいことに、さっきの人が教えてくれた情報の中に使えそうなものがあった。
「服のことなら杠って人に言ってみると良いと思うぜ」
…彼のこの言葉を頼りに、次は杠さんという方を探そうと思う。
服作りが上手な人たちが集まる中でも群を抜いてうまいらしいので、上手くいけば私の服一着くらい作ってくれるかもしれない。
しかも杠さんは年齢が私と近いときた。
これだけ好条件が揃っていてあてにしない方が損というものだ。探索の次は人探し。
とりあえず、まず杠さんの情報を集めることにした。
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作者名：ハント | 作成日時：2023年3月16日 8時
