疑問と答え ページ5
着いたところは洞窟だった。
外から見たイメージより、中はずっと広いな。ちょっと驚き。
椅子や机が置いてあってなんだか会議室みたいだ。
「俺はここにいることが多いから、用があればここにきてくれたら良いよ。」
はい、了解です。の意を込めて頷く。
「…で、伝えたいことっていうのは君を復活させた理由なんだけど、」
！聞こうと思っていたことだ。
私はここに来るまですごく見られた。皆んな鬱陶しいほどに、ちらちらと。きっとそれは私が浮いているからだろう。あ、もちろん比喩の方の意味でね。
私が浮く理由。
歩きながら司帝国の様子を見て気づいたことがある。
そう。皆んなムキムキなのだ。それはもう驚くほど。
ほとんどの男性がそれこそ漫画でしか見たことがないような筋肉をお持ちだった。
ウインナーみたいにくびれが入った腕を持っていたり、一目で分かるようなシックスパックだったり。
そんな人が司帝国には大勢いる。
もちろん女性もいた。そして女性はというと、ぱっと見た感じだが裁縫をしていた人がほとんどだった。あとは所々に木の実を運んでいる人がいたりぐらいだろうか。
さて、ここで私に着いて考えてみよう。
まず一つ目。私の体は筋肉がついているか。又は私は力仕事に有利な体を持っているか。
答えはノー。基本的に通知表は4か5の優等生の私だが、体育の実技だけはBであまり胸を張って得意とは言えない。なんなら苦手と言っても良い。
やる気があるからなんとかBを貰えてるだけ。
次に二つ目。私は裁縫が得意か。
こちらもノーだ。絵描きの端くれとして多少の観察眼の自負はあるし、人並みにはできるし器用な自信もある。
だけど、特筆するほど得意というわけでもない。人が足りない！誰でも良いから人手を増やさないと！という感じなら分かるがそんな感じもしない。多くない復活液を使うほどじゃあない。
つまり、この世界で私が役に立てることって無いと思う。
…え、どうしよう。やなことに気づいてしまったかも。
と、ここまで考えたのがさっきの歩いている時。一刻も早く自分の役割が欲しい。でないと後ろめたさに押しつぶされそうだ。
司さんの次の言葉を緊張しながら待つ。
「君は絵で何回も賞を取ってるよね？」
へ？
『…？はい』
突然の質問すぎて戸惑う。確かに取ってる。取ってるけど！なぜそれを今いうの？！
思わず間抜けな声を出すところだった。
パニック状態の私にお構いなく司さんは言葉を続ける。
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作者名：ハント | 作成日時：2023年3月16日 8時
