メンタリストの腕前 ページ21
ゲンと話してしばらく経ったあと、私の気まずくなるかも、という不安は見事にぶち壊されていた。
流石メンタリストと言ったところだろうか。すでに私はゲンと楽しく会話している。…それこそこの短時間で名前を呼び捨てするくらいハイペースで打ち解けることが出来た。タメ口にもなってる。
いやもう、なんかもう凄いとかより驚きしかない。まあ、話してて楽しいからなんでも良いっちゃ良いんだけど。
「すごい今更なんだけど、Aちゃんは司ちゃんに何を任されてるの？」
『私は千空さんが生きてたら絵を描いて攻めれるように地形をスケッチする役割かなー』
「ってことは絵上手いんだ？！バイヤー！」
『いやいや、そんな凄くないよ。この前だってね』
話は流れるように進んでいき、初対面とは思えないほど話しやすく、楽しい。
そんな会話を止めたのは、他でもないゲンだった。
「よし、じゃあそろそろ終わる？」
『え、でもまだ説明できてないとこ結構…』
「司ちゃんが親交深めるのが目的って言ってたじゃ〜ん。多少省いても大丈夫大丈夫！」
私としては会話が楽しく別に嫌な思いをしたわけでもないのでこのまま集落全体を見て回るつもりだったので予想外に展開に少し驚く。
「…それに、Aちゃんすっごく眠たいでしょ？」
『え゛』
ば れ て た
確かに疲れてはいたが、流石に意識をあさってのほうに明後日の方に飛ばしながら話したり、明らかに話を聞く気がなかったりするのは失礼なのでしっかり受け答え位してたつもりだし。
なんならぜんぜん会話を楽しめていた。最後まで説明する気だった。
というかなんで分かった。メンタリストすごいな。
「ダメダメ〜ちゃんと休まなきゃ。ある程度分かったから俺はジーマーで大丈夫！」
『私そんな眠くは』
「だとしたらそれアドリナリンが出てるからじゃない〜？ジーマーで眠そうだし！ほら良い子は帰った帰ったー」
ワタワタしながらまだ帰ろうとしない私をゲンは後ろから押して私の部屋の方向へと進め始めた。
『こけるって、分かった！寝るから！』
「なら良し！おやすみ〜」
あんまり納得しきれないが、ゲンには私が疲弊し切っていることがバレたのだろう。
話して私自身疲労感を忘れていたけど、部屋に入ってみると一気に眠気が襲ってきてゲンの言葉が正解だったことを嫌でも感じさせられる。
ふらふらと布団に潜り込んで、なんで本人より本人のこと分かるんだよ、と謎の悪態をつきながら眠りについた
続く (更新停止中)
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作者名：ハント | 作成日時：2023年3月16日 8時
