石の世界の雪舟少女[Dr.STONE] (ページ18)

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草取り探検ツアー開催ページ18

司帝国、スパイ生活4日目。まだ薄暗い時間に目を覚ました私は乾燥した炭をとりこんだ。

スパイらしいことは全くしていないが、やることならいくらでもある。ちなみに今日は紙を作る予定。そうとなれば早速お決まりの材料収集である。

草取り探検ツアー！in新世界〜紙づくりへの愛を込めて〜、開催だ。

お目当ての草は湿地や沼に生えるため、なかなか深いところまで入っていかなければならない。

当然マップなんてものはないので、枝を折ってくというヘンゼルとグレーテル方式だ。そして、服装も薄い布にペラッとした靴。加えて一番問題とされるのは、私の運動嫌いでもある。

シンプルに運動が嫌い。動きたくない。

正直不安しかないし嫌すぎるけどけど、行くしかないよなあ…

はあ…腰が重い。

のそのそと準備を整えて、引き返したくなる足を半ば無理やり引き上げながら森へと入っていった。

私を今支えているのはこれも絵のため！の思いだけだ。

と、意気込んで登り始めたのは良かったのだが…

『ぎゃあ！！虫い！！！！』

『いった、転ぶとか聞いてないっ！』

『んえ？今蛇いた？いたよね？！やだやだやだ』

『蚊に刺されてる…いつのまに…』

『今なんか足についてた、絶対虫ついてた！もうやだああああ！』

『そこに木の根はもはやトラップじゃん！？転ばしにきてるじゃん！ねえ！』

まずい、なかなかにまずい。絶賛死にかけ中だ。体力的にきついのはもちろんのこと、虫などでメンタルも削られてヘトヘトだ。もはや半泣きである。

立地的なことしか考えていなかった数時間前の自分を殴りたい。

そう、私は大の虫嫌いだ。そして山と虫ほど相性の良いものもなく。
また、私は前述した通り、運動が嫌いだ。そして舗装されてない山道となると、歩きにくいったらありゃしない。

つまり、私＋新世界での登山＝相性最悪、という方程式が立てられる。

『はあああ、見つかんない』

もう帰ってもう一度計画を練り直して誰かと一緒にこようかと考えた時、ついに神は私を助ける決断を下したようで、

『え、あれって………やっぱり！』

草をかき分けて入ったところには、小さな沼があった。

『っついたああ…』

疲労感が凄すぎて、喜ぶよりも先に安堵が身体中に広がっていくのを感じる。座り込みたいけど、だめだ。ここで座ったら絶対立てなくなる。

ここまで頑張ったのだからあって欲しい。倒れ込みたいのを堪えて沼地の周辺の草を探し始めた。