石の世界の雪舟少女[Dr.STONE] (ページ13)

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騒音問題ページ13

「大丈夫…？」

突然の不審者の割には優しそうな声で幾分か安心する。

『…？何がですか？』

別に心配されるようなことをしたつもりはないのだけれど。記憶を辿ってみても、特に思い当たる節はない。何かしたっけ。

「いや、皆んな寝始めてるけど君のとこから変な音が聞こえてきてたから、少し心配になって」

やらかした

その5文字が頭の中をグルグルと巡る。

外を見ているともう日は完全に落ちていて、時計なんて無いけど旧世界では寝ていた時間だろう。ましてや電球のないこの世界では活動時間も短く尚のことだろうに。

集団生活であるまじき行動をとってしまった。

『ほんっとうにごめんなさい！』

「いや、僕耳がいいんだ。お隣から特に何も言われてないならそんなに大きな音じゃなかったのかも知れない。だからそんなに謝らなくて大丈夫だよ」

その優しさが今は痛い…！フォローで逆に申し訳なさで押しつぶされそうになる。もういっそのことこれなら罵倒されたい…！

「あっでもちゃんと寝ないとダメだよ？睡眠不足はいろんな事故のもとになるからね」

フォローされたうえに体調の心配までされてしまった。穴に潜ってそのまま地中深くに蹲りたい。

『本当にごめんなさい…』

「良いって良いって。君昨日来た子だよね？僕は羽京。名前、なんて言うの？」

『Aです。ありがとうございます…気をつけます…』

「Aね。困ったことがあったらいつでも頼ってね」

何から何まで本当に…ありがたさと恥ずかしさで気持ちがぐちゃぐちゃになる。

「じゃあおやすみ」

ゆっくり寝なよ、という言葉と柔らかな笑みを残して去っていった羽京さんは最後の最後までイケメンだった。

ダメだな、マジで気をつけよう…

一人で反省会を開きながら軽く片付けて布団に入った。

のちに羽京さんが3トップの1人に数えられることを知るのはまた別の話。