モモの花3【佐野玲於】

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「…出来ないとかキツすぎでしょ」



「ひとりでしないでよ」



「しないけど、たぶん。」



「やだ浮気だ」



「なんだよそれ笑」






その代わり、帰ってきたら相手してよ って


耳元で囁かれて、真っ赤になる顔。

満足気に笑ってる玲於。






「一週間我慢しよ」



「くまさん抱きしめて寝よ」



「浮気だ」



「ひとりでベッドは広いんだもん」



「ちゃんと夜電話するから」



「疲れてるでしょ、気にしないでいいよ」



「そういう時だけ年上ぶんのやめろ」






甘えとけ ってあたしのこと引き寄せて。


ぎゅって背中に手を回すと同時にかかってくる電話。





「行ってくるわ」



「…うん、」



「ちゃんと帰ってくるからそんな顔すんな」






長いはずの廊下も、今日は何故か短く感じて。






「はいキスして」



「…れおがして」



「さっきしただろ」






チュ、って音を鳴らしながら

唇に軽くキスを落とす。






「頑張ってね」



「ありがと」



「ファンの皆に投げキスしちゃやだ」



「はいはい笑」



「可愛い女の子見ちゃやだ」



「見ねぇから笑」



「寂しくなる前にバイバイして」






最後に抱き締めさせて ってあたしのこと

ぎゅって抱きしめてきて。


よし、パワーもらった

なんて言って、ニコってしたまま出ていった玲於。


一週間だけ、あたしだけのじゃなくなるけど

少しだけ、我慢。









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