俺たちの姫は儚い。 5 〜Snow Man〜

親知らずちゃん ページ32

A side


　「イヤやぁ…。(涙)」



佐久間「ワガママ言わないの、予約してるんでしょー？(笑)



　 佐久間さんがついてるから、だいじょーぶ！」



　私、姫川A。



　親知らずちゃんが生えてしまいました…。



　前回行った時、「ちょっと生えてるね〜。」って言われて…。



　忙しくて放置してたら、急に痛みが！(涙)



　仕事終わりやったくまくんに、付き添いで来てもろたの。



佐久間「康二も心配してたよ、歯医者嫌いやからなぁ…って。



　 嫌なこと頑張ったら、良いこともあるよ！



　 そうだ、鬼滅の刃の１番くじあるかもよ？



　 近場のローソン、帰りに寄ってあげる〜♪」



　「…ホンマに？」



　１番くじ、最近引いてへんかったな。



　売り切れも落ち着いてきたし、引けるかな…？



佐久間「よし、そろそろ行こ♪」



　くまくんに手を繋いでもろて、歯医者へ。



　え、子供っぽいって…？ 放っといて！(笑)



受付「こんにちは、姫川さん。



　 電話でもお聞きしましたけど、痛いですか？」



　「ちょっと痛い、いや、うん、痛いです(笑)」



受付「うふふ、分かりました！(笑)」



佐久間「素直に言えて偉かったねぇ。」



　「ここまで来たから、諦めた(笑)」



佐久間「にゃはは、先生優しいから大丈夫だよ。」



先生「はい、こんにちは！



　 じゃあ、あーんしてねぇ…？」



　「あー…。」



　実は、口を大きく開けるのも痛いんよな…。



　ご飯も満足に食べられへんねん。



先生「…あらぁ、変な方向に生えちゃってる。



　 幸い膿んではないから、もう抜いちゃおうか！」



　「え…！？」



先生「食べるのもしんどいんでしょ？



　 今日１日で終われば、後が楽だよ！」



佐久間「姫、頑張ろうよ！ 手、握っとくから。」



　「…分かりました、お願いします。」



　そしたら、先生にすぐ麻酔をされる。



　うげぇ、入る感覚がぁ…！(汗)



佐久間「偉い偉い、我慢出来たね♪」((ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ



　「えへへ…。(笑)」



先生「そろそろ麻酔効いたかなー？



　 ん、効いてるね。 何かあったら言ってね！」



　「はぁい…。」



　ゴリゴリッ



　「んあ…！」



　うわ、ゴリゴリ響く！



　この音、何回聞いても慣れへんなぁ。



　はよ終わらせて下さい、せんせー…。(涙)

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