俺たちの姫は儚い。 5 〜Snow Man〜

大号泣事件 ページ21

渡辺 side


　「うわぁぁぁーーーん！(涙)」



　マズイ。 この状況は、とにかくマズイ。



渡辺「A、いい加減泣き止めって…。」



佐久間「ほんっとにごめん、本心じゃないんだよ…！」



　事の発端は、数十分前のコント番組の収録。



　Aに向かって『ブス！』って連呼するやつがあった。



　俺たちも仕事だからと全力でやって、最初はAも応戦してた。



　けど、耐えきれなくなって…。



　カットがかかった瞬間、すぐ楽屋に逃げて大号泣。



深澤「ほら、仕事だから…！



　 本気じゃないの、分かるでしょー？」



　「…そんなん言われんでも分かっとるわっ！



　 でもぉ、涙が溢れて止まらんのやもん！(涙)



　 めちゃくちゃしんどかったけど耐えたんやっ！」



　俺たちも、気付いてやれなかった。



　仕事だから大丈夫だろうって、勝手に決めつけてた。



　「ブスって言われて、平気なわけないやろ！



　 あんなんコントやない、ただのイジメやで！？」



　コントの内容見た時、作家さんがニヤニヤしてた…。



　あの人、もしかしてわざと…！？



　コンコンッ



　ガチャッ！



森本「ちょっとちょっと、どうしたの！？



　 楽屋の外まで声が漏れまくってた、けど…。」



　「…たろちゃー！(涙)」((ｷﾞｭｯ



森本「おわっ、A！？



　 ひっどい顔だな、どうしちゃったの！？」



渡辺「いや、それがさ…。」



　事の顛末を話すと、慎太郎は苦笑いを浮かべた。



森本「…それは可哀想に。



　 このこと、他のメンバーには伝えたの？」



深澤「いや、まだ…。」



森本「伝えた方が良いよ、絶対。



　 そんな悪意のある台本、許されないでしょ！」



佐久間「だよね…。」


森本「…ま、何で断らなかったんだって怒られると思うけど。」



　それは間違いないだろ。



　康二、怒らせると実は怖いんだよなぁ…。



森本「とりあえず、俺らでA預かるわ。



　 あと、康二にも何があったか伝えとくし！



　 A、今日は俺とジェシーとご飯食べよ！」



　「うん…。 皆、バイバイ(涙)」



　マジで悪いことしたな…と思ってたら、佐久間が。



佐久間「…俺たちに嫌われるって思ったのかな。」



渡辺「そんなのあるわけないのにな。」



深澤「…傷付けちゃったかもね。」



　明日が、めちゃくちゃ怖いわ…。

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