お揃いのものを ページ33
A side
「この宝石、本当に綺麗です…。 男性用の大きさはありますか？」
店主「ございますよ、人それぞれで指の太さは違いますからね。」
宇随「へぇ、なかなか派手じゃねーか。」
「そうですね…って！？
いつの間に後ろにいたんですか、天元様！」
宇随「お前が遅いから、迎えに来てやったんだよ。」
すると天元様は指輪を手に取り、お会計に行こうとしている。
「ちょ、待って下さい、天元様…！ それは男物なんですよ！？」
宇随「男物…？ Aがつけるんじゃねーのか？」
「うぅ、それは…。 天元様にお送りしたくて…。
雛鶴さんとマキヲさんと須磨さんと、お揃いの物を身に着けてらっしゃるので…。
私も、天元様とお揃いの物が欲しくて…。 だから、その…！////」
宇随「………。」
恥ずかしすぎて、天元様のお顔が見れない。
つい、色々迷ってしまってバレてしまった。 不甲斐なし…。
すると天元様は店主に耳打ちして、結局るびーの指輪を買ってしまった。
宇随「…あんまり可愛い顔して煽るなよな。」
「へ…？」
チュッ
顔を上げた瞬間、私は口づけをされた。
それを見ていた他の客から、悲鳴や冷やかしが聞こえる。
「て、て、天元様…！？」
宇随「お前が悪いんだからな。 ほら、行くぞ。」
「え、あ、はい…！」
手を握られて、顔が熱い。 誰が見ても今の私は、初心な女子だろうな。
屋敷に着くと、すぐ天元様のお部屋に通された。
宇随「そこに座れ、A。」
「はい…？」
天元様は腰掛けると、私の左手を持った。 何をなさるおつもりだろう…？
すると、黙ってるびーの指輪を私の薬指に嵌めた。 これ、さっきの…！
宇随「もうひとつあるからよ、Aが嵌めてくれるんだろ？」
男性用の指輪を取り出し、私に渡す天元様。
宇随「本当は左手の薬指に嵌めんだろ？ だが生憎、左手がねーから…。
右手の薬指に、嵌めてくれるか？ 俺たちの、初めてのお揃いだ。」
「…はい。」
震える手で、天元様の右薬指に指輪を嵌める。
「とっても、綺麗です…！(涙)」
宇随「…最近お前、泣き虫だよな(笑)」
そう笑いながらも天元様は、私を優しく抱き締めてくれた。
その様子を雛鶴さんたちが見ていたのは、また別のお話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かほべえ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます！ 現在仕事でバタバタしており、超亀更新ですが、気長に待っていただけるとうれしいです。 (2020年9月21日 8時) (
レス) id: 6299ff18a4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - えっ神作。応援してます。 (2020年9月20日 16時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∞かぽ∞ | 作成日時：2020年6月22日 23時
