涙 ページ13
A side
煉獄「宇随、この間は珍しく甘露寺妹と一緒に見廻りをしたそうじゃないか!」
宇随「おー。 何だ、善逸から聞いたのかよ?」
煉獄「いかにも。 しかし、本当に珍しいではないか。
ところでふと疑問に思ったのだが、宇随は甘露寺妹のことを好いているのか?」
宇随「…はぁ!?////
何でそんな話になるんだよ、急すぎんだろがっ!」
煉獄「いつも彼女のことを気に掛けているように思えたからな。」
煉獄さんにもバレていたとは…。 そんなに分かりやすいのかしら?
宇随「…確かにあいつは人一倍、努力家だ。
姉妹で鬼殺隊に入隊し、柱にまで上り詰めるくらいにな?
だが、時々…。 Aの目が遠くを見ている気がするんだ。」
遠い目をしている…? それはきっと、雨が降るからだわ。
私は雨の日が嫌いだから、憂鬱な気持ちになってしまうから。
宇随「そのまま儚く消えちまいそうな気がしてよ…。」
煉獄「…なるほど、そういうことだったのか。」
宇随「…まぁ、煉獄が気にすることはねーよ! あいつは妹みたいなもんだし!」
須磨「え…。」
「………。」
無一郎「………。」
『妹』。 ウソでも誠でも、私の心を粉砕するには十分過ぎる言葉だ…。
スパンッ!
宇随「なっ、A…!?」
煉獄「よもや…!」
「…フグ刺しと、フグの天婦羅をお持ちしました。 どうぞ召し上がれ?」
宇随「お、お前、今の話聞いてたのか…?」
「話…? 何のことでしょう、私は今来たばかりですが?」(ニコッ
そう返すのが精いっぱいで、私は急いで部屋を出た。
そうしないと私、溶けてなくなりそう…。
「…っ、失礼します。」
宇随「お、おい…!?」
須磨「…天元様、Aちゃんから告白まがいのことを言われたんですよね?」
雛鶴「…今のはあり得ませんね。」
マキヲ「はぁ…。」
無一郎「…宇随さん。」
宇随「あ?」
無一郎「Aさん、泣いてたよ。 女性を泣かせるなんて、最低だね。
どれだけ顔が良くても、1番やっちゃいけないことだよ。 分かる?」
私が走って屋敷を出た時には、もう頬は涙で濡れていた。
と、その時、突然、雨が降り始めた。
「…今の私の気持ちみたい。」
私はその場で、呆然と立ち尽くしていた。
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かほべえ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます! 現在仕事でバタバタしており、超亀更新ですが、気長に待っていただけるとうれしいです。 (2020年9月21日 8時) (レス) id: 6299ff18a4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - えっ神作。応援してます。 (2020年9月20日 16時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∞かぽ∞ | 作成日時:2020年6月22日 23時