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A side


煉獄「宇随、この間は珍しく甘露寺妹と一緒に見廻りをしたそうじゃないか!」



宇随「おー。 何だ、善逸から聞いたのかよ?」



煉獄「いかにも。 しかし、本当に珍しいではないか。



  ところでふと疑問に思ったのだが、宇随は甘露寺妹のことを好いているのか?」



宇随「…はぁ!?////



  何でそんな話になるんだよ、急すぎんだろがっ!」



煉獄「いつも彼女のことを気に掛けているように思えたからな。」



 煉獄さんにもバレていたとは…。 そんなに分かりやすいのかしら?



宇随「…確かにあいつは人一倍、努力家だ。



  姉妹で鬼殺隊に入隊し、柱にまで上り詰めるくらいにな?



  だが、時々…。 Aの目が遠くを見ている気がするんだ。」



 遠い目をしている…? それはきっと、雨が降るからだわ。



 私は雨の日が嫌いだから、憂鬱な気持ちになってしまうから。



宇随「そのまま儚く消えちまいそうな気がしてよ…。」



煉獄「…なるほど、そういうことだったのか。」



宇随「…まぁ、煉獄が気にすることはねーよ! あいつは妹みたいなもんだし!」



須磨「え…。」



 「………。」



無一郎「………。」



 『妹』。 ウソでも誠でも、私の心を粉砕するには十分過ぎる言葉だ…。



 スパンッ!



宇随「なっ、A…!?」



煉獄「よもや…!」



 「…フグ刺しと、フグの天婦羅をお持ちしました。 どうぞ召し上がれ?」



宇随「お、お前、今の話聞いてたのか…?」



 「話…? 何のことでしょう、私は今来たばかりですが?」(ニコッ



 そう返すのが精いっぱいで、私は急いで部屋を出た。



 そうしないと私、溶けてなくなりそう…。



 「…っ、失礼します。」



宇随「お、おい…!?」



須磨「…天元様、Aちゃんから告白まがいのことを言われたんですよね?」



雛鶴「…今のはあり得ませんね。」



マキヲ「はぁ…。」



無一郎「…宇随さん。」



宇随「あ?」



無一郎「Aさん、泣いてたよ。 女性を泣かせるなんて、最低だね。



  どれだけ顔が良くても、1番やっちゃいけないことだよ。 分かる?」



 私が走って屋敷を出た時には、もう頬は涙で濡れていた。



 と、その時、突然、雨が降り始めた。



 「…今の私の気持ちみたい。」



 私はその場で、呆然と立ち尽くしていた。

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作品ジャンル:恋愛
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かほべえ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます! 現在仕事でバタバタしており、超亀更新ですが、気長に待っていただけるとうれしいです。 (2020年9月21日 8時) (レス) id: 6299ff18a4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - えっ神作。応援してます。 (2020年9月20日 16時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∞かぽ∞ | 作成日時:2020年6月22日 23時

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