兄ちゃんやから ページ34
A side
心臓が止まるかと思った…。
放課後にチビたちを迎えに行こうとしたとき、すばると信五が泣きながら来て。
信五「ねえちゃ、どないしよ！(涙)」
すばる「きみが、きみが死んでまう！ 姉ちゃん助けてやっ！」
「え、ちょ、どういうこと…？」
すばるたちから聞いたのは、きみが朝から調子悪そうにしてたこと。
学校で倒れて、病院に運ばれたことも。
チビたちの世話で、頭が回ってへんかった。 そんなん、言い訳や…。
信五「きみ、たぶん…。 兄ちゃんやからって我慢してたんやと思う。」
「…そう。」
きみの真っ白な手を握り、目が覚めるのを待つ。
「侯隆、ごめんな…？ ちゃんと見てやれんでごめん…。」
きみ「ん…。」
「侯隆…！ ここ病院やで、分かる？」
きみ「俺…。」
「もう大丈夫や、安心してええ。」
お医者さんを呼んで、診察をしてもらう。
少し脳震盪を起こしてて、右手首も骨折してるらしい。
医者「骨折も大したことなさそうですし、明日には退院しても良いですよ。
日常生活は少し不便かも知れませんが、何かあったら来てください。」
「ありがとうございました…！」
きみ「…姉ちゃん、ごめんな？」
「え…？」
きみ「俺が調子悪いの隠してたから、こんなことになったんやろ？」
「何言うてんの…！ ちゃうよ、侯隆は悪ない！
悪いんは、あたしや…。 侯隆に我慢させて、怪我までさせてもうた。」
あたしは侯隆を抱き締めてあげた。 最近、全然ギューってしてへんかったから。
きみ「姉ちゃん…。 俺な、兄ちゃんやから我慢せなアカンと思ってて。」
「うん。」
きみ「でもやっぱり、寂しかってん。 たぁたちみたいに、素直になられへん…。」
色々考えさせてもうたんやね…。 まだまだ未熟やわ、あたしも。
オトンやオカンのためにも、みんなを立派に育てなあかんって誓ったのに…。
「…ありがとうな、お兄ちゃん頑張ってくれて。
姉ちゃん、めっちゃ助かってるよ。 いつもホンマにありがとうね？
でも、何も恥ずかしいことないよ？ 侯隆はあたしの弟や。
甘えたなったら、いつでも甘えてええ。 あたしは大歓迎やで(笑)」
きみ「ふふ、手が治るまで姉ちゃんに甘えよ。 かまへん？」
「ふふ、かまへんよ？(笑)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∞かぽ∞ | 作成日時：2020年1月19日 11時
