防災訓練！ ページ32
A side
「章大、章大ーー！！」
すばる「どこおるんや！ おったらでっかい声で返事せぇ！」
きみ「章大…。」
信五「暗くて何も見えへん…！」
人通りも車通りも少ないし、目撃証言も無さそうや。
どないしたらええの…？と途方に暮れてた、その時。
？「いやぁぁぁ！！ 離してぇ、怖いよぉ！！」
「この、声…！」
亮「章ちゃん…！」
声のする方に走ると、如何にも怪しい出で立ちの男が２人。
章大の手を握って、車に入れようとしとった。
「章大っ！」
章大「っ、ねえね、助けて…！」
男１「ちっ、とっとと来いよ！」
泣き叫ぶ章大を担いだ男たち。 絶対許さん…！
「待て、おらぁぁぁ！！」
翔「A！？」
「…章大、ダンゴムシのポーズや！ 目も瞑っときぃ！」
章大「ん…！」(ｷﾞｭｯ
「うぉぉぉっ！」
バキッ！
男１「ぐぇ！？」
男２「あ、アニキ！？」
男に飛び蹴りを食らわせ、章大を抱き留める。 よし、今度は…！
「ええか、章大。 あそこに亮も濱ちゃん先生もおる。
ねえねは大丈夫やから、あっこまで全速力で走り。 分かった…？」
章大「おん…！(涙)」
怒ってると思われんように、出来るだけ小さな声で章大に言うた。
そして、走り始めたその瞬間。
男２「おい、待て！」
「あんたの相手はこのあたしや！ あんたら良くも、あたしの弟を…。
絶対に許さへん…！ 大人しくお縄に付かんかい、この変態どもが！」
男２「く、くっそぉ…！」
震える手でナイフを持った男。 そんなんで、あたしを倒せるとでも？
翔「A、やめろ！ 危険すぎる！」
「そっか、翔くんは知らんのや…。」
男２「おらぁ！」
「ハッ！」
パキーーーンッ
男２「へ…？」
「相手が悪かったな…。」
ドスッ
男２「グッ…。」
翔「す、すっげー…。」
章大「ねえちゃ…！(涙)」
「はぁ、章大…。 何で外行ったん？ ひとりで行ったらアカン言うたやろ？」
章大「ごめんなさい…。 たんぽぽ見えたから、姉ちゃんにあげよ思って。」
よく見ると、しおれたタンポポが大事そうに握られてた。
もう、優しすぎるやろ…。(涙)
とにかく、無事で良かったわ。 あたしは章大をきつく、優しく抱き締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∞かぽ∞ | 作成日時：2020年1月19日 11時
