試着 ページ6
A side
丸子父「うちで今作ってる着物の反が残っとるんよ。
廃棄せずに小物とかに加工することもあるんやけども…。
もし良かったら、みんな用に仕立てよか！ 丸子が世話になっとるしな。」
「ほ、本当に良いんですか…？」
京友禅の着物なんて持ってないし、着たこともなかった…。
でもせっかくの機会だし、めちゃくちゃうれしい！
お手伝い「それでは女性の皆様、こちらへどうぞ。
反物は揃っておりますから、お好きな色と柄をお選び下さい。」
安子「ステキ…♪ とっても楽しみやわぁ！」
丸子「うふふ、行きましょ！ じゃあね、Aくん♪」
「うん…！」
みんなが席を外すと、丸子ちゃんのお父様がじーっと俺を見つめてきた。
丸子父「いやぁ、話には聞いてたけど、君が常盤Aくんか。」
「はい、よろしくお願いいたします！」
丸子父「そない固くならんでええよ(笑)
僕も男の子の着物とか仕立てたかったんやけど、一人娘やからな…。
そこで、Aくんにお願いがあんねん！
僕が何年も温めてきた男物の着物を着て欲しいんや。 頼むっ！」
「え、あ、あの、俺で良いんですか…！？」
丸子父「君は顔立ちもええし、絶対着物が似合う！ 僕が保証するわ！」
そこまで懇願してくれるのなら、断る理由はない。
だって俺も、甚兵衛とか欲しいもん！
「お、俺で良ければ！」
丸子父「…ホンマに！？
ありがとぉ、めちゃくちゃ嬉しいわ！
ほなどうしよかな、まずは似合いそうな色と柄を見つけなな。」
「はい！」
そこから怒涛の勢いで、生地と色、柄が決まって行った。
丸子ちゃんのお父様が褒め倒してくれるから、結構楽しい(笑)
丸子父「いやぁ、素晴らしい！ 素晴らしい逸材や…！」
「そ、そんな大げさな(笑)」
丸子父「丸子たちが見たら、絶対ほの字になるな♪」
「ほの字…？」
丸子「パパ、お待たせ〜♪ 良いの仕立てられ、た…！？」
「あ…。」
安子「う、ウソ、Aくん！？」
倉子「超イケメンじゃない…！」
すば子「あら、なかなかね。」
村子「…イケメンは何をしても画になるわねぇ。」
横子「…素敵。」
錦子「カッコよさに磨きがかかってる…。 流石、丸子パパだわ！」
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作者名：∞かぽ∞ | 作成日時：2019年11月11日 21時
