逆巻家の妹は甘え上手なようです。

EPISODE 9 ページ10

「A、アヤトに抱きしめられて痛い時なかったか？」


『うーん…』


Aは腕を組んで考える素振りをする。


『あっ！今日アヤトお兄ちゃんにギューされた時、なんか首に変な感じがして…その後ビクッてなったていうか…その…』


Aの顔がだんだん赤くなってくる。


「Aちゃんったら顔真っ赤にして、どんなこと言いたいの〜？んふ。」


こんなんで興奮してんの、ライトくらいですよ。


『えっと、あの…』


「気持ちよかったのか？」


アヤトがニヤリと口角を上げながらそう聞くと、Aはビクッとしてゆっくりと俯いた。


『そ、そんな…感じ…』


そう言うAの顔はリンゴみたいに真っ赤で、食べたくなってくる。


「俺にキスマーク付けられて気持ちいいとか、可愛いじゃん。」


アヤトはAを抱き上げると、向かい合わせになるように座らせた。


「そんな顔真っ赤にしてさ…もっと付けてやろうか？」


「アヤト、殺しますよ？皮ひん剥いて肉刻んでやりましょうか？その肉は野良犬に食べてもらえばいいじゃないですか。」


「カナト君怖いこと言ってるよー。自分で気付いてねー。」


ライトに静止され、やっと我に返る。


「はぁ…ちょうどいいところだったのに邪魔しやがって…てか、今日はコイツ俺と居るからな。」


「はぁ!?お前みたいな虫けら以下の奴に渡すわけないじゃないですか！」


「ほら着きました。早く降りなさい。」


リムジンのドアが開くと、アヤトがAを連れて降りる。


次に降りようとするとスバルが先に降りてしまった。


早くしないと、アヤトがAを連れてっちゃうじゃないですか！


ライトを押し退けて急いで降りると、もうそこにはアヤトとAの姿がなかった。


「絶対にアイツ殺します！」


「ほらカナト君落ち着いて。教室行くよ？」


またもやライトに静止され、アヤトへの怒りをどこにもぶつけないまま教室へ向かった。

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