大切なノート ページ43
Masai side
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あれからシルクは、桜がまだ咲かない3月の終わりに、眠るように息を引き取った
ン「もう、桜咲いたんだね。」
シルクのベッドもまだ片付けられなくて。
心のどこかにぽっかりと穴が空いてしまったよう
ぺ「…もうそんな時期なんだね、あっという間だった。」
モ「でも…そろそろ整理しないといけないよね。」
シルクが亡くなってもうすでに1ヶ月の時が過ぎようとしていた
「よっと…、え、これ。」
遺品整理のために、ベッド横の棚を開けると
沢山のノートが重ねられていた
ダ「マサイ…?え、このノートって…」
このノートは…、シルクが毎日欠かさず書いていたもの。
「ちょっとみんな来て…」
集まったところで、一番上のノートを開いてみる
『たぶん、ンダホに怪我させちまった。ちゃんと俺が歩ければ、病気じゃなければこんなことにならなかったのに。』
『ンダホが包帯してた。やっぱり。おれのせいだよな、大人なんだから、ちゃんと自立しないと。』
『家を出ていったけど、すぐにみんなが見つけてくれた。俺ってフィッシャーズに必要な存在だったのかな、すごく嬉しかった。』
『手が震える。車椅子もうまく動かせない。情けないよな、、』
『今日は検診だった。そろそろ入院しないといけない。報告動画も撮らないと…』
『涙が止まらない。俺が選んだ道なんだから、もう後悔はしない。』
ン「シルク…嘘でしょ?こんなこと思ってたの…?」
ンダホが最後のほうのページを開く
『眠るのが怖いや。目を閉じたら、明日が来ないかもしれないって思うと、本当に怖い。』
『もしも時間が止まるなら…この日々が続くなら。あと少しでいいから、この場所で笑ってたい。』
『今まで、ありがとう。きっともう最期だから、伝えたいことは隠した。だから探して。
じゃあ、アデュー!』
ノートはそれで終わっていて
閉じようとした時、1枚の紙が落ちてきた
ぺ「…?地図?」
そこには土手への地図が書かれていて、真ん中辺りにバツがある
ン「シルクの最後のメッセージ、そこにあるかも…。行ってみよう!」
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さき - もう、号泣しました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)話書くのうますぎぃ.°(ಗдಗ。)°. (2021年12月25日 21時) (レス) @page50 id: 799be46e24 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 久しぶりに小説で泣きました。シルクさんは私の推しだったので本当に感動しました。本当にシルクさんがこの世からいなくなってしまったら、エイジさんみたいに受け止めなきゃなれないんだなと思いました。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: 431d6d615a (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん - 読んでる間なかなか涙が止まらなかった… でもなんか勇気与えられた気がします(/▽\)♪ 目がめっちゃ腫れました (2019年8月31日 5時) (携帯から) (レス) id: bdf5a50f71 (このIDを非表示/違反報告)
なほ@マシュマロ - すごく感動しました!読んでる間ずっと涙が止まらなくて、すごくいい作品だなと思いました。素敵な作品をありがとうございました! (2019年8月15日 15時) (レス) id: 1f231daff6 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ - これは……名作だ!! (2019年4月15日 7時) (レス) id: c8044a5c37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立葵 | 作成日時:2018年8月8日 20時