検索窓
今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:74,832 hit

大切なノート ページ43

Masai side






.




あれからシルクは、桜がまだ咲かない3月の終わりに、眠るように息を引き取った






ン「もう、桜咲いたんだね。」




シルクのベッドもまだ片付けられなくて。


心のどこかにぽっかりと穴が空いてしまったよう





ぺ「…もうそんな時期なんだね、あっという間だった。」




モ「でも…そろそろ整理しないといけないよね。」






シルクが亡くなってもうすでに1ヶ月の時が過ぎようとしていた








「よっと…、え、これ。」






遺品整理のために、ベッド横の棚を開けると


沢山のノートが重ねられていた






ダ「マサイ…?え、このノートって…」





このノートは…、シルクが毎日欠かさず書いていたもの。




「ちょっとみんな来て…」




集まったところで、一番上のノートを開いてみる







『たぶん、ンダホに怪我させちまった。ちゃんと俺が歩ければ、病気じゃなければこんなことにならなかったのに。』






『ンダホが包帯してた。やっぱり。おれのせいだよな、大人なんだから、ちゃんと自立しないと。』





『家を出ていったけど、すぐにみんなが見つけてくれた。俺ってフィッシャーズに必要な存在だったのかな、すごく嬉しかった。』




『手が震える。車椅子もうまく動かせない。情けないよな、、』




『今日は検診だった。そろそろ入院しないといけない。報告動画も撮らないと…』




『涙が止まらない。俺が選んだ道なんだから、もう後悔はしない。』







ン「シルク…嘘でしょ?こんなこと思ってたの…?」






ンダホが最後のほうのページを開く






『眠るのが怖いや。目を閉じたら、明日が来ないかもしれないって思うと、本当に怖い。』




『もしも時間が止まるなら…この日々が続くなら。あと少しでいいから、この場所で笑ってたい。』





『今まで、ありがとう。きっともう最期だから、伝えたいことは隠した。だから探して。

じゃあ、アデュー!』







ノートはそれで終わっていて



閉じようとした時、1枚の紙が落ちてきた







ぺ「…?地図?」





そこには土手への地図が書かれていて、真ん中辺りにバツがある





ン「シルクの最後のメッセージ、そこにあるかも…。行ってみよう!」

最期のメッセージ→←遠くへ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さき - もう、号泣しました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)話書くのうますぎぃ.°(ಗдಗ。)°. (2021年12月25日 21時) (レス) @page50 id: 799be46e24 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - 久しぶりに小説で泣きました。シルクさんは私の推しだったので本当に感動しました。本当にシルクさんがこの世からいなくなってしまったら、エイジさんみたいに受け止めなきゃなれないんだなと思いました。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: 431d6d615a (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん - 読んでる間なかなか涙が止まらなかった… でもなんか勇気与えられた気がします(/▽\)♪ 目がめっちゃ腫れました (2019年8月31日 5時) (携帯から) (レス) id: bdf5a50f71 (このIDを非表示/違反報告)
なほ@マシュマロ - すごく感動しました!読んでる間ずっと涙が止まらなくて、すごくいい作品だなと思いました。素敵な作品をありがとうございました! (2019年8月15日 15時) (レス) id: 1f231daff6 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ - これは……名作だ!! (2019年4月15日 7時) (レス) id: c8044a5c37 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:立葵 | 作成日時:2018年8月8日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。