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杏「はいそこまで！！！」
「いっ…たぁ！！？」
バシィ！！！という音が響いて杏菜が放った怒りの平手打ちが廉の後頭部にクリーンヒットした。
そのお陰で降り注いでいたキスの雨は止み、私はクラクラする頭のまま廉の肩にもたれかかった。
それさえも優しく受け止めてくれて、耳元で小さく笑う声が聞こえる。また顔が熱くなった。
「なにすんねん、俺とAのイチャイチャ邪魔すんなや！」
杏「じゃあここでイチャイチャすんな！！！」
海「イチャつきたいならマジ家帰ってどうぞ」
紫「Aちゃん好きなのはわかるけどペース考えてあげな、本気で死んじゃうよ」
紫耀が苦笑しながら脱力する私の頭を撫でる。その手を小さく振り払って睨む廉だけど、
そんな姿を見て楽しそうな笑みを浮かべるのはイタズラ好きな紫耀だった。
紫耀ってば、廉のことからかうの好きだな…
海「独占欲つよ…引くわ…」
杏「右に同じく」
「うっさいなぁ、これが俺の愛情やねん」
なー？なんて言いながら私の頭を撫でる廉に小さく頷く。廉の愛情らしいしもうなんでもいい。
…大好きな廉に愛されるなら。
頷いた私を見てドヤッとした顔で杏菜を見つめる廉がまた可愛くて写真に収めたくなる。
杏菜は悔しそうな顔をしたあと「A騙されないで！！」なんて言ってたけど、騙されるってなんのこと？
「Aは聞かんくてええから耳塞ごかー」
杏「おい！！！╬」
杏菜が怒ってるみたいだけど大きな廉の手によって耳が塞がれて何も聞こえなくなった。
ただ目の前で優しい眼差しで微笑む廉の顔だけが見える。その空間がまた幸せで。
『…廉』
「ん？」
私が呼びかければ、何も言わずに振り向いて答えてくれる。嫌な顔なんてひとつもせずに。
むしろ嬉しそうに笑うんだ。私なんかを見て。
『……好き』
ずっとずっと、廉だけを見てきた。大好きな目も、声も、髪だって全部が好き。
「俺も、大好き」
思わず廉に抱きついた。
ぎゅーっと強く、絶対に離さないって気持ちを込めて。
あははと笑いながら抱き締め返してかれる廉が好き。ちゃんと好きって言ってくれる廉が大好き。
これからもずっと好きなんだと思う。好きで好きで堪らないから。
紫「これ俺たち何見せられてんの？」
海「あーマジ帰れ」
杏「ほんとそれ」
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作者名：KAI | 作成日時：2023年7月10日 13時
