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紫「Aちゃん大丈夫？」
『ちょっと無理かもしんない…』
海「だろうね」
紫耀から冷たいペットボトルを貰ってそれをおでこに当ててみる。冷たくて気持ちいい。
結局色々と脳内処理が追いつかなくてキャパオーバーしたんですけど周りからは呆れの目と哀れんだ目が。
海人はため息ついてるし紫耀も苦笑してるし。
…あっちでは何でか廉が杏菜に締め上げられてるし。
「ちょ、ギブギブギブ」
杏「Aのこともっと考えろっつったでしょうが…！」
「分かった分かったから！痛いねんって怪力女！！」
杏「うるせー変態！！！╬」
仲良さそう。微笑ましいな。
まるで近所の子供たちを見守るおばあちゃんみたいな感じだけど私は大体こういうポジションである。
ペットボトルで熱い頭を冷やしていると杏菜から開放された廉がこちらに歩みよってくる。
「あー…やっぱ怪力女じゃなくてAやわ…」
杏「おいコラ」
『杏菜、それ以上は』
私に抱きついて、肩に顔を埋める廉にドキドキしつつまた手を出そうとする杏菜を片手で制す。
さっきの見てから思うけど流石に廉が可哀想だあれは。
中学校の頃から異様に距離が近かった廉だけど付き合いはじめて尚更スキンシップが多くなった気がする。
正直満更でもないし嬉しすぎるんだけど、人の目とかを気にして欲しい。
というかさっきから痛いほど心臓がうるさい。
ペットボトルで冷やしたはずの顔もまた熱持ってしまいそう。
廉に抱きつかれているから当たり前なんだけど、廉の匂いがして鼻息荒くなりそうで。
推しの…ッ、推しの匂いが…ッッ
「A、もう一回ちゅー」
『っ…んぶぁ！？』
「ふは、凄い声。はよ慣れぇやキスくらい」
『無理だわ！！！』
「まぁそんなとこも可愛ええけど、ん」
『んっ…！』
また唇を塞がれて廉の服を掴む。その手さえも優しく握られてしまってうるさい心臓は爆発寸前。
少し離れたら角度を変えてキスされて、廉が満足するまでキスされ続ける。むしろ爆発させに来てるのでは。
じっと私の顔を見つめる目線は熱くてとろけそうになる。至近距離の顔面国宝は心臓に悪い…！！
「…可愛い」
いい声でそうささやかれたらボンッと顔に熱がこもる。きっと林檎みたいになってる。
私はきっと一生、廉には敵わない。
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作者名：KAI | 作成日時：2023年7月10日 13時
