・ ページ4
.
『おは〜』
小走りでバス停に行くとそれぞれが話すのをやめて私の方に振り向く。
いつもの四人だけど、今日はやっぱりなにか違う。
それは多分、みんなが着ている制服だと思う。
新しい高校の制服は今どきのデザインで男女とも人気がある制服だからか尚更みんながキラキラして見える。
そう、今日から私たち五人はめでたく高校生になった。
杏「Aおはよ〜！今日も可愛い！制服超似合ってるよ〜！♡」
『ありがとね。杏菜も似合ってる』
杏「A〜！！！」
バス停についてまず挨拶をして私に抱きつくのは決まって親友の杏菜。
今日も女子らしい茶髪を巻いてバッチリメイクが決まってる。
スタイルもいいからかスカートから見える足は白くて細い。羨ましい。
毎日毎日こうやって杏菜は私に抱きついて可愛いねと言ってくれるけど相変わらず杏菜の方が何百倍も可愛い。
なんで私なんかを可愛いって言うんだろ。それだけが不思議だ。
紫「Aちゃんおはよ〜、制服似合ってんね」
『おー紫耀も似合ってんじゃん、ますます女子にモテんじゃない？』
紫「うわ、マジいらな笑」
杏菜の後ろで優しい笑顔を浮かべてから私に手を降るのは杏菜の幼馴染の紫耀。
今日もハスキーボイスが聞いてて心地よくて暖かくなってきた今の時期になんだか似合っているような気がした。
相変わらず女子嫌いは健在のようで笑いながらバッサリいらないと述べる姿はもはや清々しい。
海「お前さぁ、朝起きんのバカ早いのになんでこんなギリギリなわけ」
『女の子は準備に時間がかかんだよ、つーかなんで私の起きる時間把握してんだよ。覗いてんの？』
海「どっかの誰かさんが窓開けたまま爆音で目覚まし鳴らすからだよ、クソうるせぇんだわ」
『あぁ…』
……なるほど。それはすまん。
紫耀の前のベンチに座ってウンザリしたような顔をするのは一応隣人でもあり生まれた病院から一緒という意味不明なほど付き合いが長い幼馴染の海人。
住んでる部屋も隣故にこういう会話も有り得る。特に壁が薄いからお互い何をしてるのかも何となく分かるし。
それが少し気まずくて、くすぐったい。
でも私のこと一番理解してくれてるのはきっと付き合いが長い海人だと思ってる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：KAI | 作成日時：2023年7月10日 13時
