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そっと、Aの頬を撫でる。
嬉しそうに俺の手へすり寄る姿は、俺の大好きな彼女。
あかんあかん、変な感情抱いたらこの子にも迷惑がかかってまう。
守らな、俺が。
頬にあった手をそっとAの唇に合わせる。形の良くてしっとりとした感触に思わず俺の中の何かが疼く。
必然的に上目遣いになるAを見るとやっぱくるものがあるわ。
可愛い、とにかく可愛い。
俺の顔を不思議そうな眼差しで見上げる純粋で周りが呆れるほどの鈍感さを持つAは些細なことでも照れて真っ赤になってしまう。
それがまた見てて楽しい。
だからこそ、手を出さずにはいられなくなる。
少し顔を近づけると困ったような顔をするけど、拒絶はせずにキュッと目をつむるA。
知っとるよ、A、ちゅーするの好きやもんね。
毎回ちゅーすると、嬉しそうな顔するんやもん。
今もまた、それを待ち望んでるんやろ？
可愛ええなぁ、ほんまに。
周りに人がいないか確認したあとお望み通り、Aの綺麗な唇にキスしようとした時＿＿
紫「あっ、廉〜Aちゃ〜ん」
…なんつータイミングやねん紫耀…
いい感じやったのに、と舌打ち交じりに奥歯を噛むとこっちに小さく目を振って歩いてくる紫耀を睨む。
学校の中ではあまりスキンシップを許してくれへんAがやっとキスさせてくれると思ったんやけど邪魔入ってもうたやんけ。
『しょ、紫耀！？』
さっきまで素直に腰抱かれとったのに勢いよく飛び退いたA。流石に紫耀に見られたのは恥ずかしかったんかな。
顔を赤くしながら紫耀を見るAとは対照的に整った顔を優しく綻ばせて笑う紫耀。
やっほーなんて言いながらAの前に来て頭撫でる手を今すぐ叩き落としたい。
「お前わざわざ何しにきたん、さっきのわざとやったらぶっとばすで」
紫「物騒だなぁ、わざとじゃないよ。たまたま見つけたから声かけただけだって」
「信用できひんわ」
昔から女嫌いのくせに俺がAのこと気になってるって言った時から楽しそうにちょっかいをかけるようになった紫耀。
それで嫉妬で狂いそうになる俺見て楽しんでんねん、悪趣味極まりないやろ。
今だってヘラヘラ笑ってるけど多分わざと。俺とAの間に割り込んで俺が悔しがってんの見て笑ってやがる。
あーむかつく。
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作者名：KAI | 作成日時：2023年7月10日 13時
