◇ ネクタイ ページ13
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廉 side
静かな昼休みの中庭。何故か彼女からの視線がすごい。
隣見るとキラキラした目で俺の事見てるし、嬉しいんやけどなんかむず痒いというか。
しかもマジで目離さへんねん、ずーっと俺だけ見て俺の服の袖掴んどる。
目が合ってちょっと笑いかけてみたら嬉しそうに顔輝かせたりして。
あー可愛い。マジで可愛いどうしよ。
小さくため息をついて彼女の可愛さにこっそり悶える。この世のものとは思えないほどの可愛さ、なんなんほんまに。
でもやっぱずっと見つめられるんのは俺も恥ずかしなるし。我慢ならんくて俺はAの頭を撫でつつ聞いてみる。
「Aあのさ、俺の事見るのはええねんけどそんな見られると恥ずいわ…なんか気になることでもあるん？」
『あ、えっと…いや、その…』
急に顔を赤くして目を泳がせるA。そんな姿も可愛い。
今すぐ抱きしめたくなる衝動をぐっと堪えてもう一回顔を覗き込んでみると恥ずかしそうにうつむくA。
恥ずかしがり屋になったなぁ、昔はあんなに活発やったのに。
まぁでも昔も今も世界一可愛いのは変わらへんけど。
『…そのネックレス、前つけてたものじゃないなと思って…、カッコイイなぁなんて…』
「ネックレス？」
首元を触ってみてあぁ、と納得する。
こないだ紫耀から貰った金色のチェーンネックレス。結構気に入ってたからつけてきたんやけど、まさかこれを見てたとは。
カッコイイ、か。
普通の女に言われてもなんも感じへんし、むしろ俺の興味を引くための飾り言葉って分かってたから気持ち悪く感じてたけど。
この子に言われたらこんなにも嬉しいんやもんなぁ。
ほんまに、好きなんやわ俺。この子のこと。
「これ紫耀から貰ってん、カッコええやろ」
『う、うん！凄くかっこいい！あ、もしかして紫耀のつけてたやつのおそろい？』
「…おん、そんなとこ？」
なんや、紫耀もつけてたんや。あんま気にしてなかったけど。
…つーかなんで紫耀つけてることも分かってんの。俺以外見てたってこと？
さっきまであんなに俺ばっか見つめてたくせに。俺だけ見てればええのに。
……気に入らへん。
未だに俺の首元を見つめて目をキラキラさせてるAの目を塞ぎたくなった。
どうしたら、俺だけ見てくれるようになるんやろ。
俺だけで、どろどろに満たしたら…俺だけのものになってくれんのかな。
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作者名：KAI | 作成日時：2023年7月10日 13時
