嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ25)

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しんぺいはあれから、週３で来てくれた。
自分の国を放ったらかして何をやっているんだか。私は嬉しいけども。

戦争の後処理も済んだようで、幹部は健康で生きているということも伝えてくれた。それならいい、元気なら。

怪我をしている今、ひとりで自分の世話が今できるわけもなくメイドさんに手伝って貰っている。

ここのメイドさんもかわいくて、やさしい。我々国と同じだ。

『いつもありがとうございます』

「A様をお支えできて光栄です。タメ口大丈夫ですよ？私のこともカーラとお呼び下さい」

『え、ええの？じゃあカーラ、ありがとう』

「はい！」

カーラは私に話し相手がいないと話しかけてくれて、暇だと呟いたら本を貸してくれた。その本がまたセンスが良くて、とても面白かった。

世間話として我々国のことや、ぴくと王国のこともよく話し合っている。カーラは賢く、政治のこともよく理解をしている。
メイドにしておくのがもったいなさすぎる。

『カーラはなんでメイドなん？メイドやなくってもここの幹部とか似合いそうなんやけど』

「うーん…メイドさんって可愛くないですか？ここの制服なんてとくに可愛いじゃないですか！」

『うん。(カーラが)かわええなぁ』

「でしょう？あと単純に、家事とか人の世話が好きなんですよ」

『カーラは女の子やね…女子力高い』

いつも髪の毛はツヤツヤで、くるんとしたくせっ毛も上手くアレンジし可愛く見せている。メイドだからかマニキュアは塗っていないが、肌はすべすべで爪は綺麗な女爪。メイクもナチュラルに薄くしているし、家事は完璧。

『ふふ、カーラは良いお嫁さんになりそうやなぁ』

「ありがとうございます。A様に言われるなんて光栄です」

『そう？いくらでも褒められるんやけど』

「ちょ、やめて下さいよ！恥ずかしいんですからぁ」

恥ずかしい、と顔をぱたぱたと仰いだり、真っ赤になった顔を抑えて鎮めようとしている。なんだこの可愛い生物。あざといにも程がある。

『んふふ、かわええ』

「A様も美人ですよね。優しいですし、ノリも良いです。笑うと可愛さが倍増していいんですけど、真顔もそれはそれで美しい。あまりメイクはなさっていないからか肌は綺麗ですし、こうして素直に人を褒められる所とか尊敬します」

『やめえやぁ…反撃はんたーい』

ニヤニヤしていると反撃された。私もまた顔が赤くなり、熱を冷ました。

そのあと目が合って笑い合った。