嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ18)

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-Noside-

「Aちゃんは皆のことが大好きだったんだ。どんなに辛い言葉をかけられても頑張りたい、必要とされたいって言ってた。…過大なストレスを抱えながら」

「俺は、無能なやつは、いらんって」

「…ストレスの症状として、頭痛、吐き気、憂鬱感、注意力の低下、思考力の低下、寝ることができなくなる、間違いが多くなる等が挙げられる。もちろん、まだあるけど」

「…無能にしたの、俺らやん」

「昨日、私はもう必要ない、嫌われたんだって泣いてたんだ。泣きながらだったから本人はおぼえているか分からないけど」

しんぺい神は珍しく、幹部を睨みつけた。

「ねぇ、Aちゃんを本当に嫌いなの？必要ない？無能？どう思ってんの？なあ、答えろや」

普段からは想像ができない低い声で、言い放つ。誰も口答え出来ないが、誰も答えない。静寂が続いたあと、鬱が口を開いた。

「嫌いなわけないやん。好きや、大好きや！！俺が素直になれんかっただけで、そないに傷つけとるとは思わんかった…！」

鬱が言い終わると次々に口を開いていく。

「俺も、言いすぎた。Aの居場所はここにしかあらへんよなって勝手に思い込んでた。そんなわけないのに」

「無能って決めつけるんやなかった。ちゃんとAを見るべきやった」

全員が言い終わると、グルッペンが話し出す。

「反省は済んだようだな…二度とするな。好きな女に嫌がらせをするなど、恥を知れ。ちゃんと謝れよ」

「グルッペン、そろそろAちゃんを助ける話に戻そう」

「ぺ神、お前も隠しているんじゃない」

「…ごめん、口止めされてた」

「まぁいい。ロボロ、Aのインカム…ＧＰＳは」

「すまん、不具合で回収しとる」

「ならば監視カメラをチェックしろ。ゾム、オスマン。Aの部屋を見て何か手掛かりがあるか探してこい。トントン、エーミールはここに残り作戦を練る。他の奴らは観光客がいないか探し、人数に抜けがないかを確認しろ」

「「「「「ハイル・グルッペン」」」」」

幹部はバラバラに動いていく。愛する人を助けるために。