嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ17)

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-Noside-

会議室に集まった幹部達。重々しい空気の中しんぺい神が口を開く。

「Aちゃんが、いなくなった。多分誘拐かな」

「ほう、その根拠は」

「コーヒーカップが中身入ったまま転がっていたこと、大量の書類が窓を開けていたからか散らばっていたこと。Aちゃんの性格から考えてこの状態で出て行くのはありえない」

しんぺい神が言い終わるとグルッペンが眉を引きつらせる。

「何故、Aの部屋に大量の書類が？昨日は見回りのみを任務とし、書類を与えなかったのだが。トントンは知っているか？」

「いや、俺は知らん。昨日は会っとらんしな」

「…ゾム、コネシマ。なんか知っとるね？」

オスマンは二人が何か隠していると判断した。流石外交官と言ったところか、僅かな動きで見破った。コネシマが反省しているのか、小さい声で話す。

「……俺と、ゾムの書類や…昨日押し付けたからな」

「はぁ？何人に押しつけとんじゃ！！」

「あぁ、コネシマさんとゾムさんが書類持ちながら走ってたアレですか。俺見てたんすけど、わりと毎回やってることになりません？」

「……毎回、やっとったから、な」

「お前ら！！！！」

「待て、今説教している時間はない。Aが攫われた場所、か…」

ショッピの一言によりトントンが怒る。二人を怒鳴りそうになったところを冷静なグルッペンが静止した。そんな中シャオロンが軽く口を開いた。

「まずアイツはホンマに攫われたん？別にその状態で逃げたっておかしいことはないやろ。それにAが逃げ出す理由ならいくらでもあるやろ。俺みたいに悪口を言ってたりさ」

「は？」

「グルッペンは知らんやろうけど、トントンも無能って突き放したやん！大先生やオスマンもAに向かってきしょいやらなんやら言うたやろ！？それだけやないし、皆言うてたやん。そら、逃げるって」

シャオロンが放った言葉で会議室が静まる。幹部は思い当たる節があるのか気まずそうに俯き、グルッペンはその様子を見ていた。しんぺい神は一人立ち上がり、それはないと主張する。

「Aちゃんは逃げない。Aちゃんは皆のことが大好きだったんだ」