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水をかけられ、目が覚める。そこは地下牢らしき場所だった。湿っぽい空気に、ひんやりとしたコンクリートの感覚。手足は手錠で拘束されていた。
「おはよう」
『おはようございます。β国の方でございますか?』
「あぁ、その通りだ。これから拷問をするが、お前は我々国幹部補佐のAで間違いないな?」
『はい。私はAでございます』
私を狙った犯行だったか。まぁ夜中に攫うのは素晴らしいと思う。私を確認する人はしんぺいくらいしかいないから。しんぺいも確認するとしたら夕飯の時以降だろう。計画的だ。
拷問…正直に答えれば私の身の安全があるが我々国が危険に侵される。答えなければ私は拷問にかけられるが我々国の秘密は漏れることがない。
そんなの一択だろ。
「最初は簡単な質問だ。お前の国の総統は?」
『グルッペン・フューラー総統閣下です』
「幹部全員の名前を言え。12人全員な」
へぇ、12人。
つらつらと兄さん以外の名前を並べていく。兄さんは正式な幹部であるが、我々国民でも知っている人は多くない。潜入とかをしているため知られていては困るからだ。もちろん、他の国に知られていることはないだろう。
予想は当たったみたいで、拷問官は満足げに頷いた。
「ならば、兵力は」
『…お答えすることができません』
私は元から、一般情報しか流すつもりはない。どんなに痛めつけられようとも、死のうとも。
彼らを好きになってしまったから。嫌いになんてなりたくないから。
拷問官はニタリと気味が悪い笑みを浮かべ、私の腹を殴る。そしてもう一度聞いてくる。同じ答えを返し、また殴られる。
殴るといってもいつか内ゲバの時に飛び火して受けたコネシマ様の拳の方が4倍くらい痛かったし、私も軍人とて痛みには強い。こんなもので、拷問なのか?
私が苦しそうにしてみると拷問官はとても嬉しそうにした。
なるほど、演技も見破れない馬鹿で、拷問官自身の攻撃力もない。言動の端々から情報が集まってくる。
こんなので拷問といえるのか。私の方が情報を持っているじゃないか。笑える。
我々国の今の現状からして、私を助け出すまでに短くて2日、長くて7日。まぁ、助ける気があれば、だが。
だが戦争はするだろう。戦争の準備完了まで3日と見込んでいいだろう。
戦争が始まったら私をもっと拷問にかけるか、何も話さないので殺すかだろう。
こんな所で殺されるのは勘弁。いざとなったら鎖を引き千切って逃げよう。
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なつき*俺ナー☆(プロフ) - 子供たちとです^^ (2020年4月24日 13時) (レス) id: 52f2fc1340 (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - なつき*俺ナー☆さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。鬼ごっこ、というのは我々国の子供達とでしょうか?それともタイマンでしょうか? (2020年4月23日 23時) (レス) id: c2b0dfe023 (このIDを非表示/違反報告)
なつき*俺ナー☆(プロフ) - 個人的にぴくとさんの鬼ごっこが見たいです (2020年4月18日 10時) (レス) id: 52f2fc1340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あか | 作成日時:2019年12月23日 0時