嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ14)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:151,718 hit

13 ページ14

.

もう夜中だろうか。窓の外を覗いてみると電気が付いている場所は少ない。時計を見ると、夜中の２時。
部屋に戻ってから集中して書類をしていたため時間なんて気にしてもなかった。どうせ、寝られないし。やることがないから、丁度いいか。

一休みしようとコーヒーを淹れる。私は、コーヒーはあまり好きではない。どちらかと言うと紅茶の方が好きだが、エーミール様やオスマン様を思い出してしまうため、無意識に避けていた。

コーヒーを飲みながら窓を開け、夜風に当たる。涼しい風が心地良い。
でも少し湿っぽい。あぁ、明日は雨でも降るのかな。

そんなことを考えながらゆっくりしていると、書記長室に明かりが灯っているのが見える。まだ、働いていたのか。トントン様は好きでやっていると聞いたことがあるが、本当なのだろうか。

私も幹部補佐という身分だから、仕事を手伝うことが多くある。
トントン様がやっている書類の内容は他の幹部でも難なくこなせるものであり、忙しいトントン様がやるべきではない書類ばかりだ。

それに、トントン様は過労で倒れかけたことがあった。なんとかその前に気づけたから良かったが。その後も書類の数は変動せず、また倒れそうになっていることが多い。

総統閣下、いい加減書類の分担くらいきちんとしましょう。本当に、有能な方を失いますよ？

余計なことを考えていると、後ろから視線を感じる。

振り返ろうと思った頃には遅かった。

私は強い衝撃にあい、持っていたカップを落とした。だがくらっとする脳を一生懸命に働かせ、犯人の顔を見る。

……β国か。

認識出来た所でもう一度殴られ、意識を手放してしまった。

だが、とっさのことだったが監視カメラに入るように動けたことは褒めてもいいと思う。