嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:151,706 hit

3 ページ4

.

よくわからないが、しんぺい神様の所に行くと眠ることができる。それでも長くて２時間だったが。

私が眠りから覚めると、しんぺい神様が誰かと会話をしているのが聞こえた。
私は邪魔をしてはいけないとまぶたを閉じた。

「今Aちゃん寝ているんだけど。静かにして」

「はぁ？まだ就寝時間やないやろ。サボってんのか！」

「そんなわけないじゃん。いいから、用が済んだなら出てってよ」

声の主は、コネシマ様だった。サボり、そう言われてはそうなのかもしれない。いくら医師から言われたって、駄目なものは駄目か。

そう考えていると、ベットを仕切っていたカーテンが開き、しんぺい神様が入ってきた。

「あれ、起こしちゃった？ごめん」

『大丈夫です、業務にもどりますね』

「だめ、まだ此処にいなさい。カウンセリングタイムだよ」

『ですが、』

「コネシマの言うことなんて無視無視。なんか言われたら僕にいってよ、言い返すから。それよりも、最近どう？寝られる？」

突然始まったカウンセリング。早く答えて開放してもらおう。

『寝られはしないです。ですが、此処に来ると眠れるので大丈夫です』

「うーん…幹部の人達とどんな感じ？」

『どんな感じ…』

しんぺい神様は、きっと私が暴言を受けていることで、ストレスが溜まっているということを気づかせたいのだろう。
そんなこと、言われなくとも分かっている。認めたくないだけ。認めたら、優しいしんぺい神様のことだ、幹部に近づくことは許してもらえなくなるだろう。

私は彼らの側にいたい。たとえ嫌われようが。

『皆様は素直に私に接してくれます。私が何もできないから、苛つかせてしまっている部分も多いと思いますが』

「そんなわけないのに。Aちゃんは無能なんかじゃないし、みんな本心では必要としてくれているよ。少なくとも、僕は必要」

『ありがとうございます』

必要という言葉にじわじわと心があたたまる。しんぺい神様は毎回必要と言ってくれ、私の欲しい言葉をかけてくれる。

けど、いつまでもしんぺい神様を頼るわけにもいかない。迷惑になってしまっているのも現状だ。先程もコネシマ様に迷惑をかけてしまった。

カウンセリングを受けていると、私のインカムが反応する。総統閣下からだった。

〈話したいことがある、総統室へ来い〉

『かしこまりました』

返事をしてから、しんぺい神様へ途中で抜けてしまうことへの謝罪をし、私は足早に総統室へと向かった。