嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ28)

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『私ね、ここに来てからご飯が食べられるようになったんよ。ちゃんと寝られとるしな』

「あぁ」

『…一人でいるとなぁ、ここは幸せやぁって思うんや。』

今、正直に。

『もう、辛い。そっちに戻りたくない。嬉しさも楽しさもそっちではもう感じられん。でも、皆大好きなんやｯ！グルッペンへの忠誠は本物や、今も殺されそうになったら盾にでもなれる。どっかで、戻りたいって気持ちもあるんやろな。けど、今日までここで過ごしてきて、いじめてきた幹部に会いたいなんて一回も思わんかった。応援なら影からできる。けど守るのは一緒におらんと。まとまってなくてごめん、これが私の気持ち』

「ありがとう」

私が俯くと、グルッペンは優しい声でお礼も言ってくれた。あぁ、好きだ。やっぱり離れたくない。

「すまないが、ここからはぴくと王を交えて話しがしたい。どうせ聞いていると思うのでな」

「あはは、バレてました？こんな状況で書類なんてやっている場合じゃないでしょ」

『ぴくと、くん』

「ごめんね、聞かれたくなかった？でもどうしても気になっちゃってね。できるだけ口出しはしないからさ」

『大丈夫、ここでお世話担っているんだから、聞く権利はある』

いつかは話す内容だったし。今後私がどうするかはぴくとくんには大事なはず。

「もし、Aが忠誠だなんだのを気にしているのなら、そんなことはどうでもいい。忠誠を誓いながらここにいたって俺は構わん。世間がどうだとか気にするな」

『違う、私はグルッペンを、皆を守りたい』

「守りたいと思っているやつに傷つけられても、か？」

『もちろん』

「俺の意見を言っておこう。Aは必要だ、特に俺が。だがAをたくさん傷つけてしまった。これからもそうなるかもしれない。幹部には喝を入れておいたが、それで本当に直るかなんてわからないだろう。Aはここにいるべきだ。Aのためにも、反省すべき俺たちのためにも」

『…』

「あ、俺からも言っておくね」

ぴくとくんがグルッペンが言い終わったのを見て、納得したかのように話し出す。

「俺はAが必要。前も言ったけど、マジ護衛が欲しい。けど信頼できる人物しか置きたくないしってことでAが適任だと思ったわけ。けどこれは俺の勝手な願いだから、気にしなくていいよ。Aがここにいるっていうんなら、職と衣食住は用意してあげるって話なだけ。あくまでAの気持ち優先で」

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