【続】奪うよ？君だけを。［Hokuto.M］ (ページ2)

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それからは、私の気持ちは北斗くんに向くようになった。

クラスでも一緒にいて、美香と北斗くんと髙地くんと4人で笑い合っているのに、帰りも一緒に帰る。

北斗くんの部活は剣道部で、それなりに強くて私が先に部活が終わったら、少し北斗くんの練習を見ながら待っていた。

北斗くんが剣道やってる所を初めて見た時、面で表情が見えないのが寂しいけど、すごくかっこよかった。

やっぱり一生懸命何かに打ち込んでる人ってかっこいいなぁ・・・

精神統一されている剣道部の体育館は静寂で私も静かに北斗くんを見守るのが楽しかった。

毎日一緒に帰って、家まで送ってくれる北斗くん。

最近は私と沢山お話したいと言って、近くの公園に寄り道することが多い。

｢由衣ちゃんとまたこうして一緒に帰れるのは嬉しい｣

北斗くんは自分の気持ちをストレートに伝えてくれる。

自然と私も北斗くんに対してストレートな気持ちを返すことが出来る。

｢私も。北斗くんと一緒にいると楽しい！｣

そう言って笑顔を向けると北斗くんも優しく微笑んでくれる。

そんな北斗くんを見れて本当に幸せだなって思う。

｢由衣ちゃん、俺があげたリップ毎日付けてくれてるね。ホント似合ってて可愛い｣

｢ありがとう、私もお気に入り。もう無くなっちゃいそう｣

北斗くんが私にプレゼントしてくれたリップ。

初めて男の子からもらったプレゼント。

最初は不純な動機でつけていたけど、

今は"北斗くんがくれたもの"として毎日付けている。

リップを見ても思い出すのは北斗くんで、貰った時の嬉しさをいつも思い出す。

｢なくなったら、また俺がプレゼントするから、横浜まで行ってくる｣

冗談を言うかのように笑った。

そんな他愛もない会話をするだけでも

北斗くんと2人で話しているのが楽しかった。