23大我 ページ23
その日の夜も樹のいる居酒屋に向かう。
「いらっしゃい!」
「よ!」
店内を見渡していつものカウンター席に座った。今日もAは来てないみたい。
「きょも〜!今日もAちゃんいないよ〜」
「は?なんだよ・・・」
俺は気にしてないふりをしたけど樹は鋭かった。
「ここ最近、Aちゃん探してんじゃん」
「別に、探してねぇよ・・・」
図星を隠すために平然とした態度で、たばこに火をつけてゆっくりと吸う。そんな俺を樹はニヤニヤと見てる。
今日はお客さんも少なくカウンター席は俺だけ。もちろん隣には誰も座ってない。
「あ、そういえば・・・ねぇ、樹、これ温めて?」
ビールと枝豆を持って来た樹にAが今朝くれたタッパを渡す。
「うち、持ち込み禁止だぜ」 樹は意地悪そうに笑った。
「今日お客さん少ないんだし、いいじゃん」
「ん、まあいいけど。これどうしたの?」
「さあ?・・・秘密」
「なんだそれ・・・」
樹は首を傾げて不思議そうにする。樹がタッパをレンジで温めてくれている間お酒を飲みながら待った。
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作者名:えーじ | 作成日時:2019年11月19日 23時