17主人公 ページ17
樹くんと京本くんと3人で他愛のない会話をして楽しんだ。ほとんど樹くんがしゃべってて、たくさん笑わせてくれたんだけど。
「樹、そろそろお会計」
「はいよ」
「こいつの分も足しといて」
「え?いいよいいよ!申し訳ないから!」
勝手に私の分も払おうとする京本くんに慌てて財布を出す。
「いいって。女が金出すな」
京本くんはさっさと会計を済ませて店を出る。私も京本くんに続いて店を出た。見送りしてくれた樹くんはニコニコしながら手を振ってくれた。
しばらく無言で並んで歩く。京本くんはたばこに火をつけて煙を吸った。
「京本くん、ご馳走様でした」
「ああ・・・」
興味なさそうに返事をしてゆっくりとたばこを吐き出す。なんだか急に京本くんに自分のことを話したくなった。私の過去を全く知らないからこそ話したくなったのかもしれない。
「京本くんは、私がなんで婚約破棄されたか聞かないの?」
「別に、興味ない」
「そっか・・・じゃあ、独り言いうね」
私はゆっくりと婚約破棄されたことを話し出した。
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作者名:えーじ | 作成日時:2019年11月19日 23時