疑惑 ページ10
「おい嘘だろ」
実況を録る前のダラダラしている無駄な時間。
私たちがいつも集まって動画を録る場所、レトの家の緑色のカーペットの上でスマホに映し出された衝撃的な事実を目にして私は呟いた。
牛「なんだ？どうした？」
隣に座っていたうっしーが私のスマホを覗き込む。
牛「なんだゲームかよ」
うっしーは吐き捨てるようにそう言うとすぐに自分のスマホに視線を戻した。
うっしーは他人事のように言うが私にとっては一大事だ。
私のガルパ内の推しであるリサ姉こと今井リサが今回のドリフェスメンバーとして登場していた。
普段だったら素直に喜べるところ、私には喜べない理由があった。
それは…
「リサ姉星4出すぎ…」
そう。
今回のドリフェスで登場したリサ姉は今年5枚目の星4だったのだ。
1枚目は同メンバーであるあこちゃんバナーイベでの星4リサ姉。
2.3枚目はリサ姉バナーイベでの星4リサ姉。
4枚目はバースデーガチャでの星4リサ姉。
そして今回のドリフェスでの5枚目星4リサ姉だ。
2.3枚目はそれぞれ2万、4枚目は1万で抑えられたが1枚目に6万をつぎ込んでしまった。
提供確率が2倍なので早々と出てくれることを期待したいがいつ出るかなんて分からない。
「今年出費激しい……はぁ…」
ドリフェスのことを想像してため息をひとつつくとソファに座っていたキヨが突然立ち上がった。
キ「ちょっと俺トイレ行ってくる」
その弾みでキヨのバッグがソファから落ちる。
キ「ちょっと俺のバッグ直しといて！」
そう言うとキヨはそそくさとトイレに向かった。
牛「自分で直せよ」
と呟きながらもキヨのバッグをソファの上に置いてあげるうっしーは優しい。
すると逆さまになったキヨのバッグから何かが数個カーペットの上に落ちた。
「なにこれ」
落ちたものの1つを拾い上げるとなんだか見た事のあるような形状。
「……え？」
牛「ぐふっ」
私の手の中にあるものを見てうっしーが吹き出す。
えこれ…コン○ーム…だよな…？
隣でうっしーは肩を震わせてクツクツと笑っている。
私たちは自然と会話する声量を下げた。
「ぇなん、何個…12個あるよ笑」
牛「普通こんなむき出しで入れるか？笑」
表ではそういう風に見られがちなキヨだが裏では絶対に想像がつかないので、何でコン○ームが大量にあるのか不思議で仕方なかった。
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作者名：RIN | 作成日時：2022年2月6日 1時
