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私は【START】をクリックする。
「始まった…」
苦戦したところも一度プレイしたからか、そんなに手こずらずに問題のところまで来れた。
『するとその時パソコンの中の女がこちらに手を伸ばして…』
『ｵﾏｴﾓｺｯﾁﾉｾｶｲﾆｺｲ!!!』
ゲームの中の私が女によってパソコンの中へ引きずり込まれていく。
パソコンの中の女はまだこっちを向いている。
……来る。
女の手がパソコンから伸びてきて私の腕を掴んだ。
「っ…強！」
私は掴まれていない方の手で机を掴み、抵抗する。
『ｸﾞｱｱｯ!』
女の手は冷たく、人間ではないことを実感する。
耐えろ…耐えるんだ私！
何か解決策を…！
『ｸﾞｱｯ!!』
女は完全に私を引きずり込もうと、更に深く私の腕を掴んだ…
すると、
『ｸﾞｱｱｱｱ!!!』
「…え？」
女の手が溶けている。
何でだ…？
溶けている女の指先には、赤い……血？
この血って、レトの爪がくい込んだとこの…。
「…そういうことか」
『ｸﾞｱｱｯ！』
女は私の首を掴んできた。
「っぐ…」
息ができない。
ふざけんな。
この
私は左手で机を掴み、右手で机の上にあったカッターを持つ。
そのままカッターを振り下ろし今履いているスキニーごと腿に傷をつけた。
「い"っ…」
声が掠れてる。
そろそろ限界なのかもしれない。
カッターを机の横に落とし、右手で出血している腿を触る。
手のひらが真っ赤に染まった。
「う"ーわ、さいあ"く……」
そして、
「っぐ…とど、け…！」
私は女めがけて手を伸ばす。
『ｸﾞｱｱｱｱ!!!』
丁度私たち人間で言う心臓の部分に手が触れた。
女の手が緩まる。
今度はこっちの番だ。
左手で女の腕を引っ張ると女の上半身がパソコンから出てきた。
『ｸﾞｱｱｯ!』
女は私の頬を引っ掻く。
「いっ…！くそ、」
私は左手で女の首を掴み右手で心臓を抑えつける。
『ｯｸﾞ!ｸﾞｱｱｯ!』
「消えろ！消えろ消えろ！！」
『ｸﾞｱｱｱｱｱｱ!!!!』
すると、
パンッ
という音とともに女は液体へと姿を変えた。
無色無臭。
まるでそこには何もいなかったかのように…。
「っ…なに…？」
突然パソコンの画面が光る。
驚く暇もなく、私はパソコンの中へと吸い込まれた。
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作者名：RIN | 作成日時：2020年7月17日 6時
