gからの内通者【wrwrd!】 (ページ11)

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いただきますページ11

tn｢珍しいな、大先生が時間通りに来るの。｣

ut｢グラシアちゃん待たせる訳にはいかんやん？｣

tn｢じゃあ明日から一切遅れんなよ。｣

ut｢それは…無理かな！｣

tn｢粛清すんぞ。｣

彼が遅刻しないのは珍しいらしい。
そんな中、グルッペンさんが咳払いをし場を静める。
彼は両手を合わせた。
珍しい、この国でもするのか。

｢いただきます。｣

全員の声が合わさる。
そして、幹部たちだけのこの空間を明るい声が包んだ。

主に騒いでいるのはコネシマさんたちだ。
ショッピはそれに巻き込まれてこちらにSOSを出している。
ごめんね、無理。

私はメイドさんが置いてくれた食事に口をつける。
今日は和食らしい。
肉じゃががあって凄く嬉しい。

ht｢箸上手だね。｣

『基本、お箸だったので。』

ht｢そっかそっか。これ美味しいから食べてごらん。｣

『これは…お豆腐？』

ht｢黒豆練り込んであるの。｣

一口食べると、豆腐とは思えない舌触りだった。
黒豆の上品でしつこくない甘さが広がる。
その上滑らかで直ぐに溶ける。

『とても、美味しいです。』

ht｢でしょ？はい、俺のあげる。｣

『え、しかし』

ht｢あげるから敬語無しね。｣

…嵌められた感が強い。
が、もう私のお皿には極上黒豆豆腐がいる。

『善処する…。』

ht｢うん、ありがとうね。｣

すると、ひとらんさんより向こう側から大きな叫び声が私に向けられた。
チーノは苦しそうな顔をしている。

cn｢グラシア助けて！安全地帯に引きこもってんじゃねぇ！｣

横にはゾムさん。
そしてその手には大量のおかずがのせられたお皿。
マンちゃんがぽつりと｢食害は怖いめう～｣と言った。
なるほど、それが安全と言われる所以か。

『チーノ、おつかれ。』

cn｢同じ心理学取ってた仲やん！｣

『あ、そうだったんだ。』

cn｢え、認知してくれてなかったの？！｣

本当に知らなかった。
誰がどの授業とか興味無いし。

そんなことを考えていたら、彼はゾムさんに引っ張られて顔が見えなくなった。
書記長も遠い目をしている。
あれは関わらない方が良さそうだ。