gからの内通者【wrwrd!】 (ページ5)

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決定ページ5

総統は一言も話さない。
外交官を一瞥した。
きっと彼が最後の質問をするのだろう。

os｢軍の中でもなぜうちに？｣

『昔から、人を見てその人が考えていることを当てるのが得意でした。諜報部隊なども教授と共に考えましたが、戦闘面を鑑みて外交部署の方が良いと勧められました。』

os｢…グルッペン。｣

今度は外交官が一瞥して総統にウィンクをした。
総統は私の目を見てニヤリと笑った。

gr｢君を書記長補佐に任命する。｣

書記長、補佐？
え、私外交部署希望って書いてたよね？
こちらの疑問を読み取ったのか、彼はまた続けた。

gr｢トン氏のところは人手が足りない…と、いうかそう簡単には増やせない部署でな。近々外交部署から君のような人を派遣しようと話していたのだ。｣

os｢本当はちょー俺も欲しいけど、今回は書記長の所優先ってわけめう～。｣

いやいいのかそれで。
書記長って国のTOP2じゃん。
思わず心の中で口調がブレる。

tn｢…グラシア、やっけ？｣

初めて彼が口を開いた。
頷くと、少し微笑んでくれた。

tn｢君は気付いとらんかったけど、俺結構君のこと大学で見てたで。｣

どうしよう、周りの人を振り切るのに必死で全く分からなかった。
彼はそんなこと露知らず続ける。

tn｢疑いがあった自分なんか、とか思っとるかもしれないけど…うちに入れたいから今回今俺らが君に疑問に思ったことぶつけたんや。｣

彼は立ち上がり、ゆっくりと私に近づく。
そして横に立ち、私に手を差し出した。

tn｢言ったことに嘘は無さそうやし、君の真剣な態度は好ましい。俺の補佐になってくれん？｣

嘘を、吐いているのに。
心が痛くなる。
私は本来、潜入用の訓練は受けていないから。

その手を握り、しっかりと目を見つめた。

『お役に立ってみせます。』

嘘を吐くのは苦手だ。
だから嘘は吐いていない。
だが周りの空気が一気に緩くなるのを感じた。

｢好ましい、やって～！｣

｢トントン童帝の癖に｣

｢せやぞトントン、良かったなぁ、女の子が来て。｣

tn｢うるっさい新入りに余計なこと教えんな！｣

…いや、本当に幹部たちなのかこれ。
他国に初めて不安を感じた。