Episode 2 ページ3
小さな館でうずくまっているのは、白髪の女の子。
白いワンピースを着た、クマのぬいぐるみを抱いた金色の瞳をした女の子。
銃を撃つ音が聞こえて、女の子はまた泣きだしました。
隣の部屋から、お母さんの悲鳴とチェーンソーの音が聞こえるのです。
見つかったら私だって殺されてしまうだろう、女の子はそう考えました。
女の子は、一緒に隠れていたお兄さんの腕を強くつかみました。
怖いからです。
するとお兄さんは
「ちょっと待ってて」
そう一言残して、女の子の前から消え去りました。
女の子は何が何だか分からなく、辺りをキョロキョロするしかありませんでした。
すると、お兄さんは何かを持って女の子の元へと戻ってきました。
何を持ってきたのだろうか。
女の子は覗いて見てみます。
『………ねぇ、兄さん、ホントにやるの……？』
「うん、だからここで待ってて」
それは、包丁でした。
だけど、持っているお兄さんは怖がってはいませんでした。
女の子は、またアタフタします。
お兄さんは、立ち上がりました。
そして部屋のドアを開けて、チェーンソーの音と共に戦いました。
その姿を、女の子はジッと静かに見ていました。
『…………………………凛全なる勇姿…………………………！』
女の子はお兄さんの戦っている姿に憧れました。
だけどそう思った瞬間…………………………
『………』
お兄さんは、血だらけで倒れていました。
――――――――血の包丁を手放して。
『イヤ――――――――』
そう叫んだ頃には、女の子が今度は血に染まっていました。
女の子の髪の毛は、白かったハズなのに紅い何かで染められていて、白いワンピースも同様です。
『…………………………逃げなきゃ』
女の子は、そう感じてスグに屋敷を出ました。
しかし、その5年後、捕まってしまいます。
1996年の悲惨な大事件、新聞にこう載ってありました。
【館の一家殺人事件！犯人は幼い少女だった！！】
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作者名：セミラミス | 作成日時：2019年4月7日 21時
