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No.01 ページ3

私は、或る辺境の地に在る孤児院の前に居た。



事の発端は、森さんにより唐突に明かされた事実。





「太宰君、君に妹が居た」



「………は?」






私の両親が死んでいるというのは遂数年前に聞かされていたが、其れは初耳だった。



そして私は、其の妹が居ると云う此の孤児院に来たのだった。



一先ず受付の女性に面会の申し込みを入れた者だと伝えると、彼女は私に待つよう伝え、中に入っていった。



数分後女性に連れられてきたのは、未だ幼い少女だった。



年の頃は8歳くらいだろうか。



私は今17歳だから、10歳近くも違うことになる。



少女は私を見上げて目を瞬かせた。



其の瞳は、硝子玉のようだった。



そんな彼女を見て、私は初めて彼女が自らの妹なのだと実感した。



私と同じ癖のある茶髪を腰迄伸ばしている。



瞳は鳶色だ。



端整な顔立ちも恐らく、少なからず私に似ている。



私は屈んで彼女に視線を合わせた。





「やあ、こんにちは」



「こんにちは」





鈴のような、澄んでいて何処か無機質な声が返ってきた。



彼女は真っ直ぐに私を見ている。





「突然で済まないが…私はね、君のお兄ちゃんなのだよ」



「…私の、お兄ちゃん?」



「そう。太宰治と云うんだ」





少女は私の言葉の真偽を見極めるように私を見詰め、口を開いた。





「私は太宰時祢」






太宰時祢。



其の名で漸く彼女が自分の妹なのだと証明された気がして、私は遂口元を緩めた。





******





申し訳ありません、オリジナルフラグを外し忘れていました…!



ご指摘有り難う御座います!



低評価は天罰だと思っておきます…

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麗葉 - 大好きすぎて気づいたら四回も?読んでました(笑)体調に気をつけて頑張ってください! (2023年5月2日 21時) (レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 猫好きさん» 本当にそうよねえ奥さん←←もう先生は私を苦しめようとして来てるとしか思えないですよ…小学校卒業して「よっしゃマラソン大会無い!」からの長距離走があった絶望感…(´・ω・`) (2019年1月1日 23時) (レス) id: 424c23822c (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - ホントですよ…マラソン大会とかは真面目に荒そうかと思いましたよ…ホント、やぁねぇ奥さん← (2019年1月1日 20時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 猫好きさん» 大丈夫ですよ!立ち眩みは現在学生の私でも日常茶飯事ですから…………orz 体育の長距離とか本当にもう……………………殺しに来てますよ…(´・ω・`) (2019年1月1日 14時) (レス) id: 3546326a0b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 1km全力疾走?アハハ…知らないの?僕ヒキニートだから歩くだけで立ち眩みするのw( °∇^)] (2019年1月1日 13時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月14日 11時

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