包帯無駄遣い装置の妹さん【文スト】

No.11 ページ13

私達が集合場所である噴水の前に来ると、其処には既に姐さんが居た。





｢おお、来たか｣



｢待たせて御免なさい｣



｢いいや、私も今来た処じゃ。気にするな｣





姐さんが時祢の頭を撫でる。





｢姐さん、今日は何処に？｣



｢駅前に在るショッピングセンターに行くぞ。彼処なら服も見られるし、家具も揃うじゃろう｣





そう云って、姐さんは時祢の手を握った。



時祢は少し驚いた様に姐さんを見上げる。



姐さんは艶やかに微笑んだ。





｢却説、時祢や。行こう｣



｢うん｣





時祢は頷き、姐さんの手を握り返す。



私は時祢の反対側の手を握り、三人で歩いた。



着物の少女と女性に、至る所に包帯を巻いた男。



周りから見たら少し異様かもしれないが、時祢が少し嬉しそうな気がするので何も問題は無いだろう。









＊＊＊＊＊＊









｢広い｣



｢こういう処に来たのは初めてかえ？｣



｢初めて。あまり院の敷地の外に出なかったから｣





時祢が人に溢れた店内を見渡す。



私達が立っている通路の両脇には沢山の店が建ち並び、それを一つ一つ興味深そうに眺めている。



最初に本部に入った時と同じ光景に、つい笑みを零した。





｢時祢、先ずは服を見に行こうか｣



｢うん。行く｣





私達は服の店が並ぶ範囲に向けて足を進めた。

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