包帯無駄遣い装置の妹さん【文スト】

No.09 ページ11

｢今日から此処が時祢の家だ｣





私はキョロキョロ辺りを見渡す時祢に笑みを零した。



此処は私の複数在る家の中の一軒である、高層マンションの最上階だ。



マフィア傘下の会社が経営していて、防衛機能も最上級である。



基本的に此処に寝泊まりしているが、夜以外あまり家に居ない為お世辞にも生活感があるとは云えない、面白味の無い部屋だ。



だが家具は備え付けられていた為、特に不便は無かった。





｢何でも自由に使って構わないからね。明日買い物ついでに時祢の部屋のものも揃えよう｣





私は帰る道中で買った、時祢の下着や夜着、歯磨き等が入った袋をソファに置いた。



流石に此等が無いのは一晩とはいえ厳しいものが在るので、取り急ぎ揃えてきたのだ。





｢紅葉姐さんと買い物に行く時？｣



｢うん。私も付いていくからね｣





森さんも、時祢のものを準備しに行くと云ったら当たり前の様に休みをくれた。






｢取り敢えず御風呂に入るかい？今日は疲れただろう｣




私の言葉に時祢は頷き、袋から必要なものを取り出して腕に抱えた。



彼女を脱衣所迄案内し、タオルを取り出して手渡す。





｢上がったらちゃんと髪を拭いて出て来るんだよ？｣



｢うん｣





私は脱衣所を後にしてリビングに戻ると、書棚の中から適当に選んだ本を手にとってソファに腰を下ろした。

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