Data.02 ページ3
史上最低最悪だ。
今日は、まったく仕事が進まない。
何度見たか分からない【エラー】の文字に、イラつきが募る。
やっと仕事が終わったかと思えば、
事件のDNA解析を急いでやってくれ、と頼まれ
只今、時刻10時20分。
周りを見れば、俺だけが研究所に残っていた。
「はー……」
大きな溜息を吐き、
資料で溢れている汚い机に顔を突っ伏す。
櫻井……
帰っちゃったかな。
姿のない櫻井に、申し訳ない、と心の中で謝る。
顔を上げ、真ん前にある櫻井の机を見つめる。
ずり下がった眼鏡を直し、今度お礼にでもどこか行くかな……
と…考えながら、帰る支度をして、
コートの袖に腕を通した、その時だった。
「神楽、遅ぇよ」
櫻井の声が、耳に届いたのは。
驚きで、固まった体
だけど、無意識に声のする方へ動く顔。
―――……いた。
ドアによりかかり、不満げな顔の櫻井が
こちらを見て、待っている。
「おま…っ、なんで…」
「とにかく急げ」
「…な、っ」
命令口調で話されイラッとするが、
その怒りさえも吹き飛んでしまうくらい、なぜか嬉しいと素直に感じる自分。
なんでだ、なんで…
そう思いながらも、
さっきまでの憂鬱な想いは、きれいさっぱり、サヨナラだった。
「お、準備できたか」
「ん、…」
荷物を持って、櫻井に近寄ると
ニコリと笑みを浮かべ、なぜか俺の腕をガシリと力強く掴んだ櫻井。
「は…？ちょ、待て……！」
腕をつかんだまま、ずんずん部屋を出て廊下を進み歩く櫻井。
その後ろ姿に声をかけるも、ガン無視される。
「お、おいっ……！」
「神楽、うるせえ。黙ってついてこい」
「…っ」
はあー！？と、心の中で文句を言っても仕方ない。
櫻井とはもう三年間一緒に仕事をやっているから分かる。
『櫻井を怒らすと面倒』ということ。
システムが一時期不調で、イラつきがとうとう我慢できなくなった櫻井は、
研究所を荒らした。
荒らしに荒らしまくり、3ヶ月間の謹慎が出たほどだ。
バカだよなあ。
ほんとコイツって……バカで、意味分かんねえし。
なのに、……さ。
なんで、櫻井に腕掴まれてる事
嬉しく思ってる、自分がいるんだろう。
掴まれているところから、熱が全身に広がる。
「おい、どこ行くんだよ」
「内緒」
覗きこんでみた櫻井の横顔は、どことなく楽しそうだった。
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二和百亜(プロフ) - 龍平くん、めっちゃ可愛いデス!//..← (2013年6月23日 18時) (
レス) id: 122c519836 (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - はじめまして、今日プラデみてる途中 ふと、このお話 をおもいだしました(笑) (2013年3月16日 21時) (レス) id: ebd03fe0b3 (このIDを非表示/違反報告)
二宮玲(プロフ) - 林檎さん» え？ｗそーなの？《名前変わったからよろしくねー＾＾ (2013年3月16日 21時) (レス) id: 7cc29236e2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 柚和さん» はじめまして♪ 私も今日…見に行ってきましたよ(*´`*) 原作とはまた違う面白さ、最高でしたね！ (2013年3月16日 21時) (レス) id: caf1c29771 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - ミラニャさん» ありがとうございます！ 次回作も、よろしくおねがいします(*´`*) (2013年3月16日 21時) (レス) id: caf1c29771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎 | 作成日時：2013年3月6日 16時
