【パート１】コードギアス反逆のルルーシュ もう一人の皇女

第２章　３６話 ページ19

ルルーシュ(フッ。
　馴れ馴れしいやつだな。
　このあたりが切りどころか？
　……ん？)

　何となく窓から下を覗くと、そこに洗い場にスザクの姿を見つける。

スザクは赤いペンキのようなもので汚された体操着を、洗っていた。

ルルーシュ「……!!」


C.C.「仮面の隠し場所か？」

　俺が部屋で工具類を使っての作業をしていると、ピザの箱を持ったC.C.がやって来る。

ルルーシュ「ギアスと違って、こいつは物的証拠になるからな」

　――コンコン

　部屋の扉をノックする音が聞こえ、扉が開かれた。

ナナリー「お兄様、お茶を入れたんですけど。
　あら？
　この匂い……またピザ？」

ルルーシュ「ポイント溜めてるんだ。
　すぐに下に行くから」

ナナリー「お兄様」

ルルーシュ「ん？」

ナナリー「最近、ぷにぷに〜ってなってきてません？
　二の腕とか」

ルルーシュ「絶対に触るなよ」

　部屋にいるC.C.に向けて、言ったのだが。

ナナリー「まぁ、怖い！」

ルルーシュ「ふふっ」

　部屋にC.C.を残して、俺は部屋を去る。

C.C.が扉を見つめていたら、何かが倒れるような音と何かの声を聞いて、後ろを振り返った。

C.C.「あれ？」

　C.C.の横を、そ〜っと猫は通り過ぎて行く。


ルルーシュ「ふぅ……。
　やっぱりな、そんなことじゃないかと」

　俺は今、ナナリーから、スザクの話しを聞いている。

ナナリー「スザクさん、辛い目に……？」

ルルーシュ「あ、いや。
　それは……」

　否定しようとするが、昼間のスザクの姿を思い出し口を閉ざしてしまう。

ルルーシュ「……時間がかかるんだ、こういうことは」

ナナリー「何とかならないのですか？
　お友達でしょう」

　ナナリーのためにも、俺だって何とかしてやりたい。

だが、下手をすれば……。

　その時、部屋に入って来た猫を見つけた。

ルルーシュ「ほわぁっ――!?」

　その猫がゼロの仮面をつけてることに驚き、素っ頓狂な声を上げる。

ナナリー「えっ……」

ルルーシュ「こら、返せ!!」

　俺はゼロの仮面を取り上げなければと、猫を追いかけて行った。

ナナリー「えっ……と？」

　ナナリーが、１人意味がわからなくて混乱しているとは知らずに。



ルルーシュ「猫だから……猫の分際で！」

　軽やかに逃げる猫を、何とか追うルルーシュ。

ルルーシュ「冗談じゃない!!
　こんな馬鹿なことで、ばれてしまうか！」

　そんなルルーシュの姿を、C.C.は部屋から覗いている。

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